02 結局こうなるよね…。
02 結局こうなるよね…。
好樹とバレッタはやっと歩き出した。
バレッタは背景とわかった同化できるバリアを張りながら進んでいた。
「みーくん。」
「なに?ミント。」
「辺りに人がいないか確認してくれない?」
「わかったよ。やればいいんでしょ。」
「ありがとう。助かるよ。」
「はいはい。」
好樹とバレッタは、行きと比べて特に不自由なく進めた。
バレッタが屋上に残り続けていたのは、戦争が始まって最上階の人の出入りが増え、うかつに歩けなかったから、と言う事らしいのだけれども、今日は人の出入りも少なく、スムーズに進めた。
ただ、出入りしている人の表情は険しく、急いでいた。
「みーくん、みーくん。」
「なに?」
「追加で注文していい?」
「…内容は?」
「あまり人をここに近付けないで。」
「できないことは無いけど、やらない。」
「どうして?」
「そりゃ、不審に思われるからだよ。」
「そんなに人の数は多くないから大丈夫だよ。」
「それはどうかな。」
好樹は、バレッタとの距離を気にしながら、前をよく見た。
「あ。」
「ほらね。」
城を一歩出ると、そこは戦場だった。
乱戦で、同じ色の鎧を着たもの同士も戦っていた。
これを突破するのはむずかしそうだと好樹は思った。
「ミント、バレッタに耳をふさぐように言って。」
「え。どうして?」
「いいから、早く。」
「バレッタ。」
「なに?」
「耳を塞いで。」
「? いいけど…。」
好樹とバレッタは耳を塞いだ。
三秒ほど後に、兵士が一人残らず倒れた。
「……みーくん、何をしたの?」
「何もしてないよ。あ、この兵士たち、眠ってるだけみたいだね。」
「……みーくん。」
「はい。すみません。みーくんがやりました。魔法でみんなを眠らせました。」
「そう。」
こうして、やっと好樹とバレッタは村に向かったのであった。
城から出てきた人たちが、敵を捕まえて一人残らず牢屋に入れたことはまた別の話。