表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

01 脱出はまだ先…?

01 脱出はまだ先…?


 好樹とバレッタは、とりあえず城を出ることにした。

 二人は城の屋上で、二人並んで座っていた。

「そう言えば、バレッタって背景と同化できるバリアを張れるんだったよね。」

「そうだけど、なに?」

「いや、その有効範囲ってどれくらいなの?」

「ああ。それはね、私の想像通りに変更可能だから大丈夫よ。少しなら、自分から離れた座標を中心にしたバリアも作れるわ。」

「そういえば、僕を爆発から守ってくれた時もそうだったよね。」

「ええ。」

 会話は殺伐とした内容だが、好樹とバレッタの間にはほのぼのとした温かい空気が流れている。

 時折聞こえてくるのに無視されている、戦の音がかわいそうになってくる。

「ふぅ。」

「!?」

 バレッタが好樹に寄りかかり、その体重を預けた。

(お、重い…。)

 思ったことを声には出さない。いや、出せない。

 機嫌を損ねてはいけない。

 もちろん好樹は運動不足。体力も、力も、精神においても同年齢の人の平均に届いていない。

 そして…。

「好樹、いま、ヘンなこと考えなかった?」

「うん?何の事?」

「……まあ、いいわ。」

 うかつなことは言えない。

 バレッタが寝息を立て始めたところで、泣きそうな声が聞こえた。

「いい加減、みーくんを無視するのはやめて…。」

「あ、ごめん。気が付かなかった。」

「……バカップル。」

「……(グサリ)。」

 あらかじめバレッタが、背景と同化するバリアを張っていたので、安心して好樹はバレッタを支えることにちからを注いだ。


 村長は、仕事を終えて自宅への帰路を歩いていた。

 家々の明かりが闇に浮かぶ。

 バレッタはまだ当分帰らないだろう。

 好樹君は順調に帰っているだろうか。

 そんなことをつらつら考えていると、自分の家が見えてきた。

 ポストに手紙と思われる紙が入っている。

 紙は高級品だが、こういうことに金は惜しめない。

 封筒に差出人と宛名等は記されていない。

 つまり、『例のアレ』というわけだ。

 妻に見られるわけにはいかないので、外で開ける。

『彼女は魔女。回復系と防御壁系の魔法を使用、攻撃系の魔法は使用不可。よって、危険は皆無。』

 村長はため息をつき、家に入ったら妻がいない間に焚いていた火に紙を投げ入れた。

 投げ入れてしまえば何とでも言い訳はできるのである。



 一週間ほど休みます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ