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いち
ペダルを漕ぎ出すと、春の風がぶわっと私を包んできた。
それと同時に青々とした落ち葉が一斉に舞い上がり、また、くるくると回りながら落ちていった。
私は、すぅと深呼吸しながら、どんどん自転車を走らせる。
空は、雲一つない。
まるで、世界が、地球が、私のことを祝福してくれているかのような、暖かく見守ってくれているかのようなそんな気がした。
「自由」「始まり」
そんな言葉がとっても似合う一日になりそうな、朝。
私は、思わずわーっと叫んでしまいそうになる。
さよなら、私。さよなら、お母さん。