表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ただしイケメンに限る

これでキャラクターの作成を終了します。

オバリビの世界をお楽しみください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

王樹と始まりの都市ペケポン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「んっ……?ここ、は……?」

知ってる。オバリビのスタート都市ペケポンだ。言ってみたかっただけだ。



それにしても本当に綺麗な町並みだ。これを見るためにこのゲームをやりたかったってのもある。


東京と変わらないような都市が1面樹々に覆われている。比喩ではなく覆われている。空は木々に覆われ、隙間からは穏やかな光が差し込んでいる。




……気持ちいい……




"本来"の目的じゃないのに時間を奪われてしまった。かつての僕であれば、攻略のために必死こいてスタートダッシュを切り、こんな無駄な時間は取っていなかったはずだ。


でもいいんだ。今はそれが目的じゃないから。

僕の目的は、女の子と喋りながらゆっくりゲームを楽しむ事なんだから。



そう、だから本来の目的を始めなければ、そう思ってさっきから辺りを見渡しているのだが……




いない…………



おかしいな?なんで女の子いないのぉ?

ちゃんと確かめよう、きっと女の子と話してなすぎて女の子を見逃しているんだ、よく見ろ自分。




やっぱいない……



人はいる。男はな。よく見るとそいつらもキョロキョロしてるから僕と同じ目的なんだろう。この腐れチン〇猿どもが!〇ね!

……ふぅ。落ち着け。OK、完璧だ。



それにしても……これは、悪い方向に予想が当たったな……これは、恐らく女子がほとんどいない。



まぁ、予想はついてた話だ。今、このゲームはマスメディアでさんざん悪いレッテルを貼られている。それでももしかしたら……と思ってきてみたんだが……


でも勘違いしないでほしい、このゲームの制作会社には何ら悪いとこはない。

これは、大手ゲームメーカーが組んでるネガキャンの一貫なんだ、と思う。


まぁその話は今はいい。それよりも女子だ。

ーー予想はしていた。しかし、いくらほとんど女子がいないとはいえ、これはMMORPG。とても多くの人がプレイしているゲーム。だからいるはずなんだ、少なくても、女子が。僕は最初からそこへ希望を持ってきた。だから、今は探すことに集中するんだ……




集中、集中…………あっいた




いた!!!女の子いた!!!



ついに女の子らしき後ろ姿がこの世界に顕現なさるところを見つけた!たぶんサーバーが込み合ってるからログインに時間がかかったんだろう。


そう思って近づいていく。……おい!糞ザル!お前らは引っ込んでろ!!……どうやら他の男たちも同じ目的でそこに近づいていく。よく見れば周りには男共が円になって集ってる所がいくつかある。つまりそういうことなんだろう。


たくさんの猿が集まってきたのは予定外だ。……しかぁし!今の僕には作戦がある、二日間も練ってきた取っておきのやつがなぁあ!



まず、手はずはこうだ。

1、斜め前から手を挙げて声をかける「元気?」と。

2、驚いた彼女に対しこちらも、驚いて見せる

3、人違いであったことを告げ、立ち去ろうとする

4、立ち去る際に財布的な大事なものを落としていく

5、気づいた彼女が走って届けに来てくれる

6、お礼に、といって食事に誘う




……完璧だ。一点の曇りもない、マジで。




しかし、この作戦を行うにあたって一つ懸念があった。それは財布的なものが無かったらどうしようということだ。しかし、それはさっきキャラ作成の時に代わりになりそうなものを見つけた。それは直接見せよう。さあて実行に移りますか!




もう既に僕は彼女の斜め左前という絶好のポジションについている。これは警戒されず、逃げられない絶好のポジションだ。ほかの猿共とは覚悟が違う。彼女は今光の奔流から現れようとしている。僕はそれに対し今果敢に左手をあげ…………



「やぁ!元気にして……た……?」


野生のブスが現れた。


そして僕のポケットからはサイン入り野球ボールが落っこちた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ