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La promesse brillante  作者: 灰猫と雲
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乃蒼の章「花言葉」

「花言葉っていいよね。なんかわくわくしない?バラの花言葉って愛だよね?それしか知らないや」

男の人が花を女性に送るとき花言葉を気にするようだが、実際女性でそれを知ってる人はそんなにいないような気がする。私は花を習ってる事もあって少しだけなら知っている。興味津々、顔をアイスの棒を口から出して近づけてくるなっちゃんを手で遠ざけながら、アネモネの花言葉は『君を愛すだよ』と教えてあげると

「いいねぇ。生きてるうちに言われてみたいなぁ」

と棒を口に咥えながらうっとりしていた。ススキの花言葉は心が通じる、だよと言うと

「ススキって草でしょ?草言葉じゃないんだ?」

と釈然としないので、もっと納得いかないピーマンの花言葉を教えてあげた。

「は?なんで?どうしてピーマンの花言葉が『海の恵み』なの!どう考えても畑の恵みでしょ笑」

だよね。私も初めて聞いた時可笑しかった。それからね、レタスもヒドいんだよ笑。

「レタスって…もう花言葉じゃなくない?野菜言葉だよ笑。なに?レタスの花言葉」

牛乳。

「え?なに?」

だからね、『牛乳』。

「なにそれ笑。すでにメッセージ性無視してただの飲み物じゃん」

けど私が1番気に入ってる花言葉はセツブンソウ。

「花言葉は?」

ワタシ、ニンゲン、キライ。

「やめて!貰った人が困っちゃう!」

私たちは2人してゲラゲラと少しはしたないくらい大笑いした。

いつの間にかなっちゃんといるときの私は笑っていることが多くなった。それだけ楽しかったんだ。感情が乏しくなってしまった私に、生まれて初めてできた友達は私に感情を取り戻させてくれた。それだけじゃなくもっともっとたくさんの、人が生きるのにとても大切な何かをたくさんなっちゃんから貰っていた気がする。私はなっちゃんに何かできたのだろうか?私はいまいち自信がない。私もなっちゃんになにかをあげたい。なっちゃんの人生に通り過ぎていった女の子だけじゃ満たされなくなってしまっていた。


もしまだ何もなっちゃんにあげることができていないなら、ローダンセを贈りたい。その花言葉は『終わりのない友情』。私達はいつでも、いつまでも、どこにいてもずっと友達。

そうだ、お母さんにもルピナスをプレゼントしよう。花言葉は『あなたは私の安らぎ』。私はあなたの娘で、本当に幸せです。

そして空桜草人、あなたには向日葵を贈ろう。あなたを大っ嫌いな私が贈る、最大級の褒め言葉と一緒に。

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