6話 服屋
忙しくて投稿が遅れました
申し訳ございません
先ほどの店主に言われた通り、真っ直ぐ歩いていた。
どうにも先程から道行く人々が俺の事をジロジロ見ている。
「なんだ...?変な所でもあるのか?」
傷は治っているし、特に変なところは...いや待てよ?そういえば俺は今スーツを着ている、そして街の人々は明らかに現代の服装ではない。
つまり俺の服装がおかしいということか。
正直素肌にスーツを着るのもそろそろ嫌になってきた、ここいらで新しく服でも買うか?
なんて思っていると、道の右側に服が並んでいる建物が見えた。
恐らく服屋だろう、他に服屋を探すのも面倒なのでそこで服を買うことにした。
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カランカラン。
ドアを開けると、入店を知らせるであろう鈴の音が鳴った。
「いらっしゃいませー」
店員の声が響く。
見たところ客はいないようだ。
さっさと服を買って、図書館に行くか。
...。
...。
...よくよく考えてみればどの服が男物なのか分からん。
それらしきものを買って女物だったら恥ずかしいことこの上ない。
ここはやはり店員に聞くのがいいんだろうか。
しかしそれはなんか負けた気がするしなぁ...。
「お客様、何をお探しですか?」
チンケなプライドと戦っていると、店員に話し掛けられた。
「服を探しているんだが、どれが良いのか分からなくてな...」
「そういうことですか」
「でしたらこういうものはどうでしょうか?」
店員は棚から黒色のズボンを取り出す。
俺は手に取り触ってみる。
ジーンズとスウェットの中間のような見た目で、柔らかくて伸縮性がある、動きやすそうな素材で出来ているようだ。
「悪くない」
「お気に召したようで良かったです、上着等はこちらがオススメです」
次に店員はシャツを何枚かと藍色のロングコートのようなものを取り出した。
ロングコートと言っても俺の知ってるようなものではなく、中世風なものだ。
コートにはポケットが沢山ついている、小物を持ち歩く時に便利そうだ。
シャツは白色で、模様のない無地のものである。
「んじゃ、それを貰えるか?後、似たようなものを何着かくれ」
「かしこまりました」
これで服の問題は解決した、変な目で見られずに済むぜ。
「ではこちら全部で、1200アルになります」
「ああ分かっ...」
俺は封筒から金を取り出そうとしてある事に気付いた。
封筒の中には紙幣2枚と硬貨1枚が入っているが、どれがどのくらいの価値なのか分からない。
完全に忘れていた。
「お客様?」
「い、いや何でもない」
こうなったらとりあえず出すのが先決だ。
紙幣を2枚出し、店員に渡す。
「2000アルですね、700アルのお返しです。」
なんとか「お客様?代金が足りないようなのですが...」という最悪の事態は避けられた。
だがこれで1つ分かった、あの紙幣は1000円札と同じようなものなのだろう。
まあ硬貨の方はまだ分からないが...
ともかく、これで服の問題が片付いた、改めて図書館を目指そう。