05 呪いのわら人形
夜の11時、暗く何も見えない校内。門にまたがり越える人影ゆっくりと歩きだし、3年3組の教室へと止まった。
そして、中央の窓に3枚の紙を貼って、その場を立ち去る。翌日、学校へと向かうルナの弟、自分の教室の前に着くと、大勢の生徒の人だかりが出来ていた。窓を見ると大きな紙に
《お前たちの今イジメている人をイジメたら呪い殺す》と言う
言葉が赤いマジックで乱雑に書かれていて。わら人形一体、一体にルナの弟をイジメていた男子生徒3名の写真が貼られていた。そして、そのわら人形に釘が打ってあり人間の長い髪の毛がセロハンテープで張られていた。
「やだ!!何これ気持ち悪い!?」
「気味悪いね。髪の毛ついてるし」
「それに、この髪の毛油ぎってない?」
「でも森岡達がイジメてるって・・・」
他の生徒たちがそう喋っているとルナの弟をイジメている3人組が来て目を半開きにしていた。
「誰だよ!?これ貼ったの!?」
学校が終わるとスグにルナの弟を呼び出して囲い歩道を歩いていると4階建てのビルの屋上から赤いレンガが落ちてきて、3人組の先頭を歩いている1人の4歩先の手前に落ちて割れた。慌てて4人は、上を見た。
「何だよ、今の危ねーなー。ブロックが落ちてきたぞ!!」
公園へと着くと3人は、ルナの弟を押し飛ばして倒した。すると、
どこからか、黒茶色の物体が3人めがけて飛んできて顔に付いた。
「何だこれ!?何か臭いぞ!!」
すると遠くの方からカラスの集団が飛んできて3人の顔をくちばしで突っついてきた、その一人は、危うく目を突かれそうになり、追い払っても、追い払っても、そのカラスの集団は、立ち退くことがなく襲ってきた。3人組の顔全体は、赤く腫れあがり、泣きながらカラスを追い払いながら逃げ去っていた。
ルナの弟は、家に帰るとリビングへと向かった。
義理の兄がソファーに座り無表情な顔をして口を開けたままテレビを見ていた。
ルナの弟は、義理の兄の髪に目がいった。
その髪の一部が短くなっていた。そして、それ以来あの3人組からイジメられる事は、なかった。