04 必ず願い事が叶う神社
テストの勉強をしている最中、私の頭は、煮えくり返り数字やら漢字やらが、私の頭の中をぐるぐるとよぎっているのを感じた。「もうダメ。」
人間には限界が無いってどっかのエライ歴史上の人物がほざいていたらしいけど、私はそうは、思わない、だって人間は、疲れたら眠るし、お腹がすいたら、ご飯を食べるでしょう。
その様に人間は、そなえられた体があるし、限度があると思う、それを考えると頭に入る英単語なんて限られていると思う。英単語一万語っていう本を手に取った、この本を作った人は、全く何を考えているのかわからない。
そのフレーズを見た瞬間戦意を喪失した。私は、ケイタイ電話をネットにアクセスして、あの子の実名と学校名を記載して、この上ないほどの悪口の塊を文字に打ちネット上にのせた。
この時の文字を打った時の爽快感。そして、周りからどんな反応がくるのか、待っている時の心臓のトク。トク。トク。と胸までもが動くこの感じがたまらない。
多分ネットをしている人間は、分かると思うんだけど、自分の主張を誰にも名前を知られずに思うぞんぶん言える事に魅力を感じられるんだと思う。
だって何の支障もないじゃん自分は脅迫文でも、書いてる訳じゃないし。何でもありさ。へへ。
急に誰かの怒鳴り声が聞こえてきたので私は、リビングへと向かった。
「何であんな奴をずっと家に置いてるんだよ!!もうちょっと家族の事も考えろ!!」
「広都は、私の血のつながった息子よ、何であなたにとやかく、言われないといけないの?」
「ルナと晴都だけが、俺の家族なんだよ。それにそいつは、もう成人しているだろう。25才なんだろう。今更そんなヤツの面倒を見れるか!!」
「何よその言い方自分の実の子じゃないなら、どうなってもいいって事!?」
「そうさ、実際金を稼いでいるのは、俺だし、ここは俺の家だ。お前にとやかく言われる筋合いはない!!」
どうやら、父があの男が家にいるのが気に食わないらしい、私もそう思うから、父の意見には、賛成だ。
「あの子は、今一人で生きられないの会社でリストラに会って精神状態も悪いのよ、前にあなたにも話したじゃない!!」
「俺の知ったことか!!」
とうぶんこの話は、続きそうだな、こういう時は、場の雰囲気を読んで、この場を去るか・・・っといって外に出たものの何をするのか分からない、今月貰ったおこずかいも、もうここ二週間で底をつきそうだし、何かを買うっていうのもできないしな~ぁ~。私は、近所のコンビニを通り過ぎて複雑に絡み合った細い路地をジグザグに歩き、公園へと向かった。街灯が灯って暗くなった公内に光を与えていた。
すると1人の体中細身の自分と同じくらいの年の女の子がラジカセの前で必死に踊っている姿が見えた。
何かダンスの大会があるのだろうか?
それにしても、動きがぎこちなく、あまり踊りが上手だとは、いえなかったが顔を見ていると、なかなかカワイイ顔立ちをしていた。多分、私が思うには、芸能界とかアイドル志望の女の子だと思う。
オーディションを前に練習しているのだろう。私は今を一所懸命がんばっている、その女の子に妬みを感じ生い茂った丸くカットされた草花の近くに隠れて、その女の子の動画をとり
〔少し顔が良いからって、アイドル気取りすんじゃねーよ、踊りメッチャ下手くそのくせに、ウゼーンだよ!!( `ー´)ノ〕と
文字を打ちネット上に流した。すると、
数分も経つとその動画のコメントが続々と帰ってきた。皆、けっこう暇人だな、
〔いたいげで一生懸命さがスゴク伝わってくる。何か見ていると勇気をもらえる〕
〔ナヨナヨした踊りが逆にスゴクかわいい〕
〔顔かわいい!!この子がテレビに出たら応援するかも、将来が楽しみだ〕
いいコメントしか打たれていなかった。皆謙虚だなぁ、私は、その女の子の悪口のコメントを期待していたのに、なんだか期待ハズレだ。
このコメント全部、男が打ったヤツでしょう。顔が少しカワイイからって女子中学生の幼気の残る顔立ちに中年のロリコンオヤジが返事を打ったに違いない、ただの変態どもだ。そう考えて歩いていると狭い住宅街の中に少し小さいけど、道が異様に長い神社が見えた。
ここにくるの久しぶりだな。前は何かと神頼みにきてたけな~ぁ小学生の時ケンカした友達と仲直りできますようにってお願いしたら翌日には、もう仲直りしてたなぁ結構叶うんだよな、この神社、気づいたらお金入れてた。
「早くあの男が家からいなくなりますように。」
今思うと人を邪魔もの扱いする願いを神様は聞いては、くれないと思うんだけど、何故か知らないけど叶うって普通に思っていた。