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Hot&Cold
「あちゃー」
新製品のコーヒーを見つけて、自販機のボタンを押したら缶が冷たかった。夜風も冷たかったからできればホットが良かった。
「何、間違えたの?」
姉が返事を待たずに小銭を投入した。
「これ?」
僕が答える前に同じ製品の赤いボタンを押していた。
「交換」
コールド缶をひったくられ、ホットを押しつけられた。
「あちっ」
冷えた指が敏感に反応した。
「おいし」
姉はさっそく蓋を開けて一口飲んでいた。
僕はありがとうと言うタイミングを逃し、あたたかいコーヒーを口にした。
「本当だ、うまい」
姉の腕に鳥肌を見つけた。
僕は冷たい缶と交換するタイミングを計った。




