表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

眠らぬ街の側面

 


 鳴り止まぬサイレン。逃げ出す靴音が響き、人混みに見失う姿。

 ざわめく街はまるで舞踏会の様に、そこに在るすべてを欲望の坩堝に飲み込んでいく。


 ゆらめく心と気だるい体。空っぽの魂を満たせるモノを求めてさまよう。

 時は緩やかに流れ、雑踏に立ち尽くすだけ。

 何もかもが空白の中に置き去りにした様だ。


 眠らぬ街の眠らない欲望。人の性に巧みに入り込む。

 落ちゆく者を糧として、止めどなく貪欲に惰性を貪る。

 その真実は誰も気づかず、それに近づく者さえ無情に飲み込む。

 そして、まるで一つの生き物の様に変貌を遂げる。


 近し所より遠き所。遠く見えて目の前に立ちふさがる。

 街はざわめき、心を麻痺させ闇に染める。

 あらゆる想いを内包し、慈愛と非情を用いて弱き魂を捉える。


 魂の淵より溢れる情熱だけが、こぼれる悲嘆を覆い隠す。

 そこに喜びは無い。虚しさを閉じ込め、心の奥底に溜めるだけ。

 自らの意志無き処に安らぎはない。

 掴み取る術があるなら遠目に眺めればいい。

 深みに陥って抜け出せなくなる愚を犯す必要は無い。


 夜の街はきらびやかな姿で惑わし、人の魔性を擡げさせる。

 短き時の狭間に悦楽を与え、心を代償とする。

 醜い性と偽りの情。見え隠れする一瞬が、人を引きつけてならないのかもしれない。



 ――夜が明け陽が昇る頃、束の間の休息につき、人群れる頃蠢きはじめる……。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ