ある晴れた日、婚約者に珍しく呼び出され……? ~良い人と出会い良い未来へ歩み出すことができて良かったです~
ある晴れた日のことだ、婚約者である彼ロマンティオに「自宅へ来てほしい」と言われたので不思議に思いながらも彼の家へ行った。
するとそこではロマンティオが女性を隣に置いて待っていた。
「俺、彼女と結婚することにしたから。婚約は破棄するわ」
第一声、発されたのはそれだった。
「え」
「お前なんてもうどうでもいいんだ。好きとも何とも思えない。だからここまでにすると決めた」
「……本気で言っているの?」
「ああもちろん! 本気だよ。当然だろう、本気だ! 絶対にそうするともう決めた!」
ロマンティオは身勝手なことを言いながら隣にいる女性を抱き締める。
「真実の愛だから、さ。……邪魔しないでくれよな」
こうして私は意味不明な状況におかれたまま婚約破棄されてしまったのだった。
◆
あの後、真実を知った父は激怒し、ロマンティオと浮気相手の女性からお金を取るべく動き出した。父の知り合いのそういったことに詳しい人も協力してくれて。おかげですべてが順調に進んだ。
正直、そこまで良い展開が待っているとは思っていなかったのだけれど。
ロマンティオからも、相手の女性からも、慰謝料のようなお金を取ることに成功。
怒った父の徹底的にやる様はかなりの迫力だった。
だが感謝はしている。
彼が動いてくれたおかげで少しでも救われた気持ちになれている今があるのだから。
今こうして深く強い憎しみを抱え過ぎなくて済んでいるのは、父が上手くやってくれたからこそ。
◆
あれから数年、私は穏やかな幸福の中に在る。
伯母の紹介で知り合った彼アディンと結婚するまではあっという間だった。
驚くくらいスピーディーな進展。
私たち二人は、初めて顔を合わせた時から、まるで昔から知り合いだったかのような関係を築くことができていた。
「アディン! これ運んでくれる?」
「はーい」
「こっちはいいわよ、私でも運べそうだから」
「運ぶよ?」
「いいの、大丈夫」
「そっか。分かったよ。もし運んでほしかったら言って」
「ありがとう」
今は夫婦で異国から入ってきた品を販売する仕事をしている。
いろんな意味で難しさもある。
でも楽しさもある。
だからアディンと支え合いながらであれば頑張ってゆける気がする。
この道を選んだことに迷いはない。
「あと、昨日言ってた箱だけど」
「うんうん」
「近々入ってきそう?」
「あ、うん。多分大丈夫だと思うよ。一応確認しておいたけど、向こうの人、もうすぐ届くと思いますって言ってたよ」
「そうなのね」
「うん」
「本当に届くかしら……」
「もう一回確認しておこうか?」
「頼める?」
「いいよ! じゃあ確認しておくね」
「お願いね」
ちなみに、ロマンティオはというと、あの婚約破棄の後少しして謎の死を遂げたそうだ。
ある朝、草の煮汁で作られたスープを飲んでいたそうなのだが、数時間後突然倒れたそうで。病院へ搬送されるも意識不明のまま。色々処置してもらっても意識はまったくもって回復せず。そのまま数日眠り続け、やがてそっと息を引き取ったそう。
彼の死後、スープが原因だったのかの調査も一応執り行われたそうだが、関わった調査員複数名が調査期間中に続けて落命したことで不穏な空気が広がり、やがて調査は中止となったらしい。
一方ロマンティオの浮気相手だった女性はというと、ロマンティオを殺めたのではないかと疑われ、それらしい証拠はなかったものの牢屋送りに。そしてその先で酷い虐めを受けたそうだ。で、それによって心を病んでしまって。ある晩、牢屋内で突然暴れ出し、周囲の人間を傷つけたために、話し合いの結果処刑されることとなってしまったのだそうだ。
◆終わり◆




