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第11章:テレサ


複雑な心境を抱えながら、リュアンは孤児院の半開きの木戸を押し開けた。


院内の庭はそれほど広くなく、石畳の地面は凸凹していて、壁際には薪と古びた木桶が積まれている。数人の子供たちが遊んでおり、質素なシスター服を着た人影が石のベンチに座り、本を手に、小さな女の子に根気よく文字を教えていた。


扉の開く音に、その人影が顔を上げた。


「リュ……リュアン?」


信じられないという震えを含んだ声だった。


リュアンは彼女の姿をはっきりと見た。


少女は色褪せた淡い青色のシスター服を着て、すっきりとした青い短髪が白い頬のそばに垂れている。それは陶器の人形のように精巧な顔立ちだった――高い鼻筋、完璧な形の桜色の唇、澄んだ青い瞳が今大きく見開かれている。


十八歳、女の子が最も清らかで純粋な年頃だ。質素なシスター服を着ていても、驚きで表情が乱れていても、人の視線を釘付けにする魅力を隠せない。

挿絵(By みてみん)

(何だって、俺はこんなに美人と一緒に育ったのか?)


リュアンは呆然とした。


原主ウィンスターの記憶の中では、テレサについての印象は実は深かった――何しろ幼い頃から孤児院で一緒に育った幼馴染だ。しかしその記憶は、彼女の性格、彼女の優しさ、彼女が自分の世話をしてくれた数々のことに関するもので、容姿についてではなかった。


おそらく幼い頃から見慣れていたため、ウィンスターは彼女の姿に慣れ切っていて、特別な感覚を持たなかったのだろう。


しかし今、黒田陽介という三十八歳の成熟した男の目から見ると――


(この娘、本当に美人だな)


「お兄ちゃん!」澄んだ子供の声が彼の思考を遮った。


七、八歳くらいの小さな男の子が彼を認めて、興奮して叫んだ。「リュアン兄ちゃんが帰ってきた!」


瞬く間に、庭の子供たちが集まってきた。


「リュアン兄ちゃん!」


「どこ行ってたの?」


「テレサ先生が、悪い人に連れて行かれたって言ってた!」


子供たちが口々に尋ね、小さな手で彼の服の裾を引っ張る。


その時、テレサがようやく我に返った。数歩駆け寄って、リュアンを抱きしめた。


「あなた……本当に帰ってきたのね……」彼女の声は涙声で、涙が瞬時に溢れ出た。「もう……もう二度と会えないと思ってた……」


リュアンは肩が涙で濡れるのを感じた。


原主ウィンスターの記憶と感情がこの瞬間に湧き上がってくる――


彼らは一緒に育ったのだ。


五歳の時、リュアンが聖光孤児院に送られてきた時、テレサは既にここにいた。彼女は三歳年上で、いつも彼の世話をし、涙を拭いてあげて、自分のパンを分けてくれた。


十歳の時、リュアンが病気で高熱を出した時、テレサが一晩中ベッドのそばで看病し、冷たい水で何度も体を拭いてくれた。


十五歳の時、リュアンが孤児院を出て働きに行くことになった。テレサは泣きながら門まで送り出し、「忘れずに帰ってきてね。ここは永遠にあなたの家だから」と言った。


この三年間、リュアンは外で安い小部屋を借り、卑しい夜警をしていたが、少なくとも月に一度は帰ってきた。仕事が辛すぎたり、大家に追い出されたりした時は、孤児院に戻って、幼い頃から住んでいた小さな部屋で寝た。


テレサは決して帰ってきた理由を聞かず、ただ黙って夕食を用意し、お湯を沸かして体を洗わせてくれた。


リュアンにとって、ここは家だった。そしてテレサは、家族の中で唯一の肉親だった。


だが今、黒田陽介として――


(これは……原主の感情か?それとも俺の?)


リュアンは混乱した。記憶は明確だが、感情は曖昧だ。テレサを見て何かを感じるが、それが原主の残留感情なのか、それとも自分自身の共感なのか分からない。


「ごめん、心配かけた」


リュアンは優しく彼女の背中を叩いた。声は自然で温かく、まるで何度も言ったかのように。


(……不思議だ。体が勝手に反応している)


テレサは彼を離し、目を赤くして、上から下まで見つめた。「あなた……痩せたわ、顔色も良くない。牢屋で苦労したの?誰かにいじめられなかった?」


彼女は話すほど興奮し、また涙がこぼれそうになった。


傍らの子供たちも心配そうに囲み、五、六歳の小さな女の子が顔を上げて、目を輝かせてリュアンを見た。「お兄ちゃん、飴持ってきた?」


リュアンはポケットを探って、苦笑した。「飴はないよ、俺も牢屋から出たばかりなんだ」


「牢屋って何?」小さな女の子が首を傾げた。


「すごく暗くて、出られない場所だよ」


「それは怖いね」小さな女の子は真剣に言って、それから小さな手を伸ばして彼の腕を優しく叩いた。「怖くない怖くない、もう出てきたんだから」


(家に帰った……)


この感覚が、リュアンの心を温めた。


「リュアン」テレサは涙を拭い、彼の手を引いて中へ歩きながら、責めるような声で言った。「朝ご飯もまだでしょう?その様子じゃ、牢屋でもろくに食べてないわね。早く入って!」


「俺は……」


「何も言わないで!」テレサは彼を遮り、青い瞳が今は赤く輝いて、頑固そうだった。「あなたは昔からそうなの、何があっても言わない。今回連れて行かれて、どれだけ苦労したか……」


その時――


「テレサ!」


門口から声が響いた。


全員が振り返った。


二人の男が門口に立っていた。


一人は五十歳ほどの中年男性――ジャン=ポール・ボナール。髪は乱れ、顔は髭だらけ、服はボロボロで、全身から監獄の臭いを放っている。だが目には力があり、背筋を伸ばして立っていた。


もう一人は若い男――アントワーヌ・ドラクロワ。灰色のコート、茶褐色の髪をポニーテールに結び、金縁の眼鏡をかけている。整った顔立ちだが、憔悴した表情で、目の下には血走った充血が見える。


「お父様!」テレサが叫んだ。


「パラン(教父)!」リュアンも驚いた。


「アントワーヌ兄さん!」子供たちが集まってきた。


原主ウィンスターの記憶が蘇る――


ジャン=ポール・ボナールは、この孤児院に長年関わってきた。街頭で瀕死の赤ん坊だったリュアンを発見し、聖光孤児院に送り届けてくれた。そして孤児院には頻繁に訪れ、子供たちの世話をし、特にリュアンとテレサを気にかけていた。


テレサは元々孤児院の捨て子だったが、ジャン=ポールが彼女を養女として育てた。法的な養子縁組ではないが、父娘同然の関係だった。


リュアンにとっては教父パラン


テレサにとっては義父。


そして孤児院の子供たち全員にとっては、厳しいけど優しい「ポールおじさん」だった。


アントワーヌ・ドラクロワは、リュアンと同じく聖光孤児院で育った。去年パリ大学法学部を卒業し、将来を約束されていたはずだった。


だが今――


ジャン=ポールは門口に立ったまま、庭の光景を見つめていた。


テレサがリュアンの手を引いている。


リュアンは無事に帰ってきている。


子供たちは元気に笑っている。


「良かった……」ジャン=ポールの声が震えた。「みんな……無事だったんだな」


彼は何とか笑顔を作ろうとしたが、目に涙が浮かんでいた。


テレサは彼に駆け寄り、抱きついた。「お父様……お父様も捕まったの?心配したわ……」


「大丈夫だ」ジャン=ポールは彼女の背中を優しく叩いた。「もう大丈夫だ。事件は解決した」


リュアンも前に出た。「パラン、お疲れ様でした」


ジャン=ポールは彼の肩を叩いた。「お前が事件を解決したと聞いた。よくやった、若造」


彼は少し間を置いてから付け加えた。


「お前がいなければ、俺たちは全員終わっていた」


その時――


アントワーヌが突然膝から崩れ落ちた。


「アントワーヌ!」テレサが驚いた。


リュアンも急いで駆け寄った。「どうした?」


アントワーヌは地面に座り込み、顔を両手で覆った。


そして――泣き始めた。


声を殺して、肩を震わせながら。


「俺は……」彼の声が震えていた。「俺は……お前たちを見捨てようとした……」


沈黙が庭を包んだ。


子供たちも静かになり、何が起きているのか分からないが、大人たちの深刻な表情を見て、声を出さなかった。


「リュアンが捕まったと聞いた時」アントワーヌは顔を上げず、ただ震える声で続けた。「俺は……怖かった。王室警護隊が何度も来て、尋問して、脅迫して……」


「パリ大学は俺への推薦を取り消した。ドゥブレ判事の事務所も職を取り消した。みんなが俺を避けるようになった……」


彼の声がさらに震えた。


「俺は……絶望した。そして……そして牢屋に面会に行った時、リュアンに……」


彼は言葉を切った。


「自白してくれと頼んだ。職務怠慢を認めてくれれば、俺が無関係だと証明できると……」


テレサが口を押さえた。


ジャン=ポールは眉をひそめた。


リュアンは何も言わなかった。


「だがリュアンは……」アントワーヌは顔を上げた。目は真っ赤で、涙が止まらない。「リュアンは断った。そして俺に言った――もし彼が無実を証明できれば、俺も救われると」


「そして……彼は本当にやった。事件を解決して、俺たちを救った」


アントワーヌは立ち上がろうとしたが、足が震えて立てなかった。


「だが俺は……俺は幼馴染を見捨てようとした。自分の命を守るために……」


彼は再び顔を覆った。


「俺は……俺は最低だ……」


沈黙が続いた。


テレサは涙を流しながら、何を言えばいいか分からなかった。


ジャン=ポールはため息をついた。


リュアンは彼の前にしゃがみ込んだ。


「アントワーヌ」


彼は静かに言った。


「顔を上げろ」


アントワーヌはゆっくりと顔を上げた。


リュアンは彼を真っ直ぐ見つめた。


「お前は最低じゃない」


「でも俺は……」


「お前は怖かっただけだ」


リュアンは彼の肩を掴んだ。


「六年間の努力が崩れ去るのを見て、将来が消えていくのを見て、怖かった。それは人間として当然の反応だ」


「でも……」


「だが」


リュアンは彼を遮った。


「お前は最終的に、正しい選択をした」


「何?」


「お前は俺に情報を提供してくれた」


リュアンは言った。


「あの案件資料。お前がリスクを冒してドゥブレ判事の書庫から記憶してきてくれた情報があったから、俺は事件を解決できた」


アントワーヌは呆然とした。


「だから」


リュアンは彼を立ち上がらせた。


「お前は最低なんかじゃない。お前は勇気を出して、正しいことをした」


アントワーヌの涙が再び溢れた。


だが今度は、安堵の涙だった。


ジャン=ポールが前に出て、アントワーヌの肩を叩いた。


「若造」彼は言った。「人生には弱い瞬間がある。大事なのは、その後どうするかだ」


テレサも涙を拭いて、優しく言った。


「アントワーヌ、おかえりなさい」


子供たちも集まってきて、アントワーヌを囲んだ。


「アントワーヌ兄さん、泣かないで!」


「大丈夫だよ!」


アントワーヌは子供たちを見て、それから三人の大人を見た。


彼の口が震え、やっと言葉を絞り出した。


「ありがとう……本当に……ありがとう……」


ジャン=ポールは鼻を皺めて自分の臭いを嗅ぎ、苦笑した。


「まず風呂に入らないと、この臭い……本当に耐えられない」


「そうね」テレサが言った。「お父様もアントワーヌもリュアンも、皆さんお風呂に入って、きれいな服に着替えて。それから――」


彼女は監獄から出てきて、三人とも惨めな姿の男たちを見て、深く息を吸い、力強く言った。


「まずは食事よ!」


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