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神々の塔  作者: 無糖
3章
8/10

夢の中で

 俺の名は赤札。極秘骨格部隊、通称ボーンに所属している、そこでは少数精鋭でありながら、困難を極める任務の完遂を求められる。そして、そのメンバーは各々が与えられた名前(称号)しか知らず、人間としてどこか欠落しているのうにも見えた。5人メンバーの名前は赤札、薬、No.1、No.2そして唯一部隊名を名前として与えられた男、ボーン。彼はずば抜けて優秀であり、上の連中のお気に入りだ。今回の任務は塔の調査であり、以前単独でボーンが調査を実施し、その後消息不明である。我々は塔の近くまで車両で移動している。大型トラックの中で、防弾チョッキと鉄帽の重さにうんざりしながら、トラックの揺れに身を任せていた。


「なぁ、赤札。この任務無謀過ぎやしないか?」


 話かけてきたのは、同じ小隊で一番付き合いの長い薬だった。


「それを為すのが俺たちの存在意義だ…薬は頼みの綱の手入れでもしとけよ」


「そうだけどよ、ボーンで駄目なら俺ら4人が束になったって不可能だぜ?」


「どちらかというとボーンの捜索が本命なんじゃないか?」


「どちらにせよ、サポート頼むぜ相棒」


 そう言いながら薬の道具、手のひらサイズのナイフを軽く手遊びして鞘に戻した。


「ここからは徒歩で頼む」


 運転席からそう聞こえて後扉が開いた。俺たちは手慣れた動きで分散し、警戒した。目の前には巨大な塔があるが、近づき過ぎてもはや壁にしか見えなかった。塔の周りは砂漠化していたが、大きな岩盤や岩があちらこちらにあり、異様な光景だった。


「砂埃で先が見えねぇ、No.1、2カバー頼む俺と赤札で少し偵察してくる」


 そこから30mずつ移動しては態勢を確認し、慎重に先に進んで2㎞程度進んだ所で4人の足が止まった。


「おいおい、どうやって侵入したんだよ…」


 薬がぼそりと呟いたが砂埃で誰にも聞きこえはしなかった。目の前は塔を中心にして周りに大きな谷になっており崖から塔まで500m程離れている。すると、突然地震が発生した。赤札はすぐに大きなこえで指示をだす。


「地面に伏せて呼吸維持装置を着用!」


 地震の揺れは酷く、四つん這いになるので精一杯だった。崖の周りの砂が少しずつ谷に落ちていく。そのまま地面の砂ごと谷に落ちていった。4人とも身動きがとれないまま深く暗い闇に消えていく。周りの空気が異様に冷たくなり、寒さを感じたのも一瞬で全身が水で覆われた。自分より後から落ちてくる砂に押されてどんどん水深が深くなっていく。必死の思いで手足を動かしその流れから抜け出した。呼吸はできるものの目を開けているにも関わらず、その暗さに自分の腕すら見えなかった。幸い砂が水に落ちる音でどちらが水面か分かった。遠くからNo.2の声が聞こえる。


「照明弾!」


 その声のする方から突然明るくなり、赤札は明順応している状態を維持する為に右目だけ閉じてNo.2に叫んだ。


「今すぐその場から離れろ!」


 赤札は躊躇わず砂の落ちる音や照明弾から遠ざかるように、塔に向かって全力で泳いだ。すると前方から不気味で恐ろしい程大きな魚が勢い良く泳いで来る。見た目はホウライエソに似ており、体長は35m程で、そいつの長い牙を見て反射的に嫌悪感を抱いた。そいつは照明弾に一番近いNo.2に標的を定めており、赤札の横を通りすぎる。スピーカーからNo.2の悲痛な叫び声が聞こえる。


「うぁぁぁぁ!!っ手榴弾!…」


 その後、先程通り過ぎた巨大魚の頭が、No.2の所持してた爆弾によって吹っ飛んだ。その光で周りの様子を確認することが出来た。周辺には数えきれない程の先程と同種と思われる魚が泳いでいた。唯一の救いはサイズがバラバラであることぐらいだった。冷静な口調でNo.1から無線が入る。


「ジジジ、、こちらNo.1塔に侵入成功、座標を送る」


 無線が終わると視界の半分に地図が表示されて、座標の位置まであと50m程で到着することがわかった。地図を頼りに泳ぐと壁の一部に丸い管を見つけることが出来た。


 「遅かったじゃないか、待ちくたびれたぜ」


 その声で薬だとわかった、表情は呼吸維持装置をつけており見えないが、ニタニタと笑っている気がした。














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