表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の塔  作者: 無糖
2章
7/10

出口を求めて

 彼女は少しずつ自分が何故ここに居るのか話し始めた。

「父は身寄りのない私を引き取ってくれたの。とても優しいお父さん、よく困ってる人には優しくしなさいと言っていていたわ。だから私は怪我された人を見つけては治療してきた。私の道具は赤いバンダナ、このバンダナの良いところは包んだ部位を治すことができるの。」


 話の途中で彼女は俯いた。


「その結果、噂になって悪い人たちから拐われて監禁されるなんて…」


 義継は話を聞きながら、罪悪感に耐えきれなくなって彼女に謝った。


「ごめん、僕がおじさんを自分の家に連れて帰れば良かったんだ。そしたらおじさんは助かったかもしれない。」


 彼女は首を横に降って、義継の目を見た。そして藁にも縋る気持ちで義継に頼み込んだ。


「お願い、私をここから出して」


 義継はそう言われて、自分の置かれている現状に頭を抱えた。そしてとうとう泣き出してしまった。


「誰か助けてよ、僕はもう限界だよ!お願いだから誰でも良いから優しくしてよ…僕も辛いんだよ、痛いも怖いももう懲り懲りだよ…死にたくないぃ!」


 最後に掠れた声でぼそっと呟いた。


「誰か僕だけを愛して…」


 義継は吐くんじゃないかと思うぐらい泣いた。そしてまた女の子に背中をさすられていた。学校での出来事がフラッシュバックして、尚更自信を失くす。

(僕は絶対ヒーローや主人公になれない。そんな運も力も持ち合わせていない。)それでもずっと背中をさすってくれる彼女の手を背中に感じながら、義継は決意を決める。(ヒーローにはなれないけど、優しい人には優しくしたい。)


「必ず君をここから出してあげる」


 義継の姿は泣き顔でぐちゃぐちゃで、真っ裸で、そんな姿それでも彼女の顔を見てはっきりと伝えた。すると彼女は頑張って笑顔を作って、義継に微笑んだ。まるで叶えれるかわからない夢を語る小さな子どもを見るように。義継はその彼女の顔を心に刻み、義継は防犯ブザーを鳴らした。


「待ち望んだよ」


 そう言いった後、3人の男達が階段を降りて檻の扉を開けた。男達は雑に義継の腕を掴み外に出して、ぶっきらぼうに話し始めた。


「24時間だ、24時間以内で帰ってこい。さもないと彼女が死ぬことになる。殺して欲しいターゲットの名前は…」


 男が名前を言いおうとした時に大きな爆発音と建物が揺れ、遠くから声が聞こえる。


「侵入者だ!!」


 その時、義継は男達の少しの同様を見逃しはしなかった。男達が気づくより早く階段を上がり、その部屋の机の上にある自分の銃に気づき、走ってきた勢いを殺さず、机に乗り上げるように手を伸ばし、銃を掴む。その勢いのまま机の上に寝そべり、体をくの字に曲げて追ってきた男に銃を向け引き金を引いた。バンと1発撃ち、階段を上ってきた男達は、コッキングして薬莢が宙を舞うが如く、吹っ飛んで階段を転がり落ちた。義継は直ぐに周りを見渡す、自分の服一式を見つけて慌てながら着た。ズボンのポケットに弾薬が3発、直ぐに装填すると同時に後ろから先ほどよりも大きな爆発。爆風で義継は吹っ飛び、床に倒れた。朦朧とする頭の中で、らみさんのことを思いながら義継は意識を失った。

























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ