義継の弱点
僕は大きな選択を間違えたようだ。家のチャイムで僕は目覚めた。
「ピンポーン!ピンポーン!」
義継の身体は疲労が残っており、まだ布団からは出たくなかったが、お隣の女の子かもしれないと思い、ゆっくりと玄関に向かった。
玄関を開けてみるとお隣さんが立っていた。表情は暗く、目は据わっており、目の周りの赤みがずっと泣いていたことを物語っていた。
「どうしましたか?」
彼女はまるでそれが他人事のように淡々と話し始めた。
「先程父が死にました。少し話を聞いてもらえませんか?」
「え…」
義継はとても動揺した。何故なら確実にお隣さんを助けれたと思っていたからだ。
(お隣さんの傷的に失血死はあり得ない、致命傷もおっていなかったのにどうして…)
「あの、お邪魔しても良いですか?」
その言葉で義継は目の前の女の子を放ったらかしにして考えていたことに気づいたが、次に出てくる言葉は彼女の質問の返答ではなく、そのとき思ったことを口にしていた。
「あの…おじさんに手を合わせることは出来ますか?」
「……お邪魔します。」
彼女は義継その返答に少しだけイラつきながら、強引に義継の部屋に上がった。義継は慌てながら玄関の鍵を閉めて、おもてなしする準備をした。
(やばい…僕の部屋に女の子が居る…あ、部屋の臭いとか大丈夫かな…)
状況的にそれどころでは無いのだが、義継は女性経験皆無なのでこういう時でも少し考えてしまう。
義継は緊張しながら彼女にお茶を出して、すぐそこにあるテーブルの前に座らせ、義継は彼女と向かい合う形で座った。先に話し出したのは彼女の方だった。
「部屋に無理矢理上がりこんでごめんなさい。そして義継君、父に手を合わせてくれようとしてくれてありがとう。これからの話し合いが終わった後に父に手を合わせに来てくれたら、きっと父も喜びます。」
そして彼女は少し慌てながら自己紹介をしてきた。
「あ、自己紹介がまだでしたね、私の名前は和口らみです。歳は18で道具は眼鏡です。」
「眼鏡ですか!?」
「今かけてる眼鏡がそうです。私の眼鏡で死骸や死体を見れば死因の原因と誰が殺したか解ります。」
「や、やめましょう。」
義継は咄嗟に話を再切った。次に和口さんが話すであろう内容を聞きたく無かった。何故ならその話を聞いたらいつもの日常には本当に戻れなくなると思ったからだ。
「お願い、どうか復讐を手伝ってほしい。何でもするから…」
和口さんはまた涙目になりながらそう告げた。まるで頼れる人は貴方だけだと訴えるように。そんなことを言われて、僕の感情はめちゃくちゃだった。(僕が女子から1度は言われてたい台詞をこんな最悪なシチュエーションで聞く羽目になるとは…)
「な、なんでもって、そんなことを女の子が簡単に口にしてはいけないよ、しかも男の子に向かって。」
僕はそう言いながら、目の前で泣いてる和口さんを見て慌てながらテッシュを探した。
「1日考える時間を下さい。でもあまり期待しないでね。」
僕は見つけたテッシュを和口さんに渡しながら伝えた。和口さんは涙を拭きながら少しだけ頷いた。義継は話題と空気の重さにギリギリ耐えながら、おじさんに手を合わせに行きたいと和口さんに伝え、部屋を出た。お隣さんに手を合わせながら、(特に関り合いも無かったけれど、一晩泊めて下さりありがとうございました。復讐は出来そうにありません、すみません)と口には出さずお隣さんにお伝えした。
「何度も部屋にあがってしまいすみません。ではこれで失礼致します。」
義継は正直もう和口さんに関わりたくないと思いながら、そそくさと部屋を出ようとした。しかし何故か和口さんもついてくる。義継は恐る恐る彼女に聞いた。
「あの…どうかしました?」
和口さんは義継に目を合わせず、下を向いた状態で話しはじめた。
「すみません…義継さん。私、心細くて一晩だけ泊めてくれませんか?」
義継は全身の毛穴から汗がでてくるほど身体が熱くなっていた。
「えっと…僕、男ですよ!?しかも1人暮らし。」
和口さんは上目づかいで女の子武器を駆使しながら、義継に言い返した。
「駄目…ですか?」
義継は当たり前のように女の子に弱く、面と向かって駄目とは言えず。流されるように和口さんを泊めることになった。振り返れば、義継は道具を手にした日から、いつもの日常なんてもう帰ってこないんだと思ってた。
僕たちは夜ご飯にインスタントラーメンを食べた後、和口さんが先にシャワーを浴び、その間に部屋の片付けを少しだけした。風呂上がりの和口さんは部屋から持ってきた自分の寝間着姿になり、髪を束ねてタオルを頭にかけていた。そのまま僕のベットに座った。当たり前だが、今、僕のベットには年上の女の子が座っており、その光景は義継にとってあまりにも刺激的だった。少しずつ良くない方向に物事が進んでることは自覚している。けれど、女性経験がない僕にとっては浮かれるには十分な状況だった。
「僕もシャワー浴びてくるね…」
義継はシャワーを浴びながら紳士な対応をするぞ!と勝手に誓っていた。いざ浴び終わって半袖短パンに着替え、自分の部屋まで向かった。和口さんが飲み物を用意してベットの上に座ってる。
「泊めてくれてありがとう♪喉渇いてたら良かったらどうぞ。」
彼女は笑顔でそう言って、麦茶の入ったコップを渡してきた。
「ありがとう…」
僕がその麦茶を飲む前に彼女は話かけてきた。
「今更だけど、義継君の道具はその銃?もしそうなら一体どんな能力があるの?」
僕は飲もうとした手を止めて、自分が今知ってる道具と能力について話した。
「これが僕の道具。いわゆるショットガンだね、弾数は3発で全部無くなったらポケットにまた出てくる。仕組みは未だにわかってないけど、この道具のお陰で学校から脱出できた。」
義継は言うか言うまいか少し悩んでそれでも伝えることにした。
「実は僕、探したい人たちがいるんだ。学校から脱出することが出来ない僕を、助けに来てくれる予定だったんだけど未だに合流できてなくて、2人が無事なのか探しに行きたいんだ。」
彼女は少し悩んだ後、笑顔で僕にこう言った。
「なら、私もその2人を探す手伝いをするわ。そうと決まれば明日からその2人を探すために体力温存しなきゃだね。とりあえず、麦茶飲んで今日はゆっくり寝ましょう?」
僕は少し拍子抜けした。想像ではもっと復讐を手伝うように詰め寄ってくるとおもっていたからだ。でも僕のやりたいことを手伝ってくれるなら有り難い。そう思いながら義継は麦茶を飲み、言われた通り電気を消してベットで寝むることにした。
「少し狭くてごめんね。」
2人はシングルベットに背中合わせに橫になって眠ろうとしていた。義継はもっと緊張して寝れないと思ったが、突然の眠りに襲われて義継は眠りについた。




