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神々の塔  作者: 無糖
3章
10/10

本領発揮

 手に馴染む愛用のナイフと身体の重心を再確認しながら、肩を横八の字に回し、それと同時に周りの状況把握を行なった。


(化物2匹か、このコンディションと環境ならいけるな)


 薬はそう思いながら化物たちを目で追わず、広く浅い視野の中で自分の間合いに入ってくるタイミングだけに集中していた。


 化物の説明 名前は「ダイヤン」

 白骨化した顔面や頭部が印象的であり、生ゴミの様な臭いがする。群れで狩りを行い、頭部以外の回復スピードが異常に早く、恐れ知らずであり、獰猛な性格をしている。顔面頭部は硬く、硬ければ硬い程に群れのボスになれる。しかし、その顔面こそが唯一の急所であり、破壊されると再生能力を失う。


 2匹のダイアン(化物)は薬を囲み、時計回りと反時計回りで駆けながら攻撃するタイミングを伺っていた。


 薬は化物共の動きが知能的だと思い、死角に意識を特に集中させ、奴らが攻撃してくるタイミングを待っていた。薬はカウンタースタイルが1番得意である。1匹のダイアンが痺れを切らし、薬の背後から飛び掛かかり薬のうなじを噛みつきにきた。薬は予測していたかの様に反転しカウンターで合わせる。綺麗にダイアンの右前腕が宙を舞う。


「……。」


 即座にもう一匹のダイアンが、薬の左から胴体を狙って襲い掛かる。薬はその動きに回し蹴りで対応する。頭部を確実に狙い直撃、手応えを感じた。


「……。」


(こいつら鳴き声無いのか!)


 ダイアンは鳴き声が無いため把握しにくく、お互いにモスキートンで仲間と意志疎通を行っておると薬は仮定していた。気づけば切った筈の右前足が回復し、2匹はまた先程と同じ回り方をして薬の様子を伺っている。今度は薬の左右から同時に顔を狙って襲い掛かかってきた。しかし、化物の1匹は頭部へのダメージが残ってるのか動くタイミングか少し遅れた。その些細なズレを薬は見逃さなかった。


 ほんの僅かだが先に襲ってきた方に、薬は狙いを定める。もう1匹後から噛み付きに来る化物には、身体をずらして体に沿わせる形で右腕を体に圧着させ、化物が右腕の横を通る様に動いた。先に薬の間合いに入ってきたのは正面から来る化物だった。薬は先程ピンを抜いた閃光弾を左手で化物の口に押し込み、後から来る化物には下からナイフで化物の喉仏を刺した。薬は刺した勢いのままもう一匹の化物の顔に近づけた。閃光弾は爆発し、その衝撃で1匹は死に、もう1匹は瀕死の状態だった。薬は確実に再起不能にするため、近くにあった大きい石を持ち上げ勢いよく化物に振り下ろした。


「しぶてぇなこいつら、2匹で限界だな。3匹なら殺られてたのは俺の方かもな」


 反対方向ではまだ銃声が響いている。


 「‥…あっちが落ち着くまで休んでから合流するか」


 薬は意地悪な笑みでそう言ったが、内心では体力の消耗状態に少し焦っていたのであった。

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