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ランク7ダンジョン編4

 アニスを連れて、ギルドハウスに帰ってくる。集会所に帰ってきてみると、最初に来た時と全く同じように、メイプルがヴィクターを追いかけていた。


 俺が中に入るや、すぐさまヴィクターが俺の後ろに逃げてきて、メイプルが俺の正面にやってくる。


「どうやったらそんなに速く走れるんだ? 全然追いつけないぞ!」メイプルが尋ねる。


 するとヴィクターが耳打ちをしてくる。「二度と話しかけるな、って言って!」


「あー・・・・・・魔物と追いかけっこしまくったら足が速くなるらしいぞ。あと、声をかけられるのは苦手だから、話すときは俺を通してくれ、とヴィクターが言ってる」


「へー、わかった! ありがとう!」


 適当なことを言っただけのつもりだが、あっさりと納得した。こいつがバカで助かった。


「いつまでやってるの。そろそろ出発するわよ」そうだった、これからダンジョンに行くんだった。何もしていないはずなのに、めちゃくちゃ疲れたような気がする。なぜだ。


 目的のダンジョンへ向かって、馬車で行くことになった。


 十分ほどかけて、ダンジョンの入口のある場所に着く。ダンジョンの入口のそばにある雨よけの屋根の下で、門番が椅子に座っていた。


 彼は台帳を手に持っていた。ダンジョンを出入りしたものの名前を記録する台帳だ。あれのおかげで、もしダンジョン内で帰れなくなったりしてもすぐにわかるようになっている。


 彼に登録証を見せて、ダンジョンの中に入れてもらう。入口のドアは門番しか開けてはいけない、という決まりになっている。だがそれを知らずに、あるいは知らないふりをして勝手に開けてしまう、といったこともよくある。


 そのドアはどのダンジョンでも同じ白色をしていて、謎の物質でできている。金属のように硬くて木のように軽く、そして魔物をよせつけないという性質を持っている。


 彼がダンジョンのドアを開く。その先には階段が続いていて、中は白い光で満たされている。壁が光を放っているのだ。


 そして階段の先には、これまた白い謎の物質で作られたドアがある。そしてドアの前の床には「転移魔方陣」と呼ばれるものがある。これはただの魔方陣ではないらしくて、現代のいかなる技術をもってしても再現不可能だそうだ。


 ダンジョンの最奥には通称ボス部屋と呼ばれるものがあるのだが、そこにこれと同じような転移魔方陣がある。それに乗るだけでここにある転移魔方陣の上に移動できるのである。


 エリシアがドアを細く開けて、外の様子を確認する。それから閉じる。


「敵はいないわ。先遣隊からは、罠があるという報告もなかった。出るわよ」


 エリシアを先頭にして、全員が外に出る。最後尾の俺がドアを閉める。それから、ダンジョン内を見渡す。


 そこは学園のような場所だった。前と左右へ向かってまっすぐに廊下が伸びていた。壁は砂色のレンガ造りだ。窓まであって、そこから日差しめいた光が差し込んでいる。


 近接戦が得意なヴィクターとメイプルが一番先頭で、ヴィクターの隣に通訳の俺、その後ろからアニス、アルマ、エリシアがついてくるという形で歩き始める。俺たちは前へ伸びる廊下を進んでいった。


 窓のそばを通り過ぎる。窓の向こうでは上に青空、下に芝生が広がっていて、遠くに森が広がっているのが見える。しかしそれらは現実に存在するものではないことを、俺は知っている。窓のある場所を破壊してみたとしても、その先に外はない。あるのは真っ黒で、どろっとした物質がみっちり詰まった空間だけだ。


 壁が壊れたりすると、それらは生き物みたいに動き出して、勝手に建物を修復していく。ちなみに中には入れない。入ろうとすると、外へ押し戻される。


 しばらく進むと、右側の壁に横開き式のドアがあるところまで来た。その先にも同じようなドアが二つほど見える。ますます学園っぽい。


「ヴィクター。そこのドア、開けられる?」エリシアが尋ねる。


 ヴィクターはドアに手をかける。見せかけだけで開かない可能性もあったが、それはガラガラと音を立てて開いた。どうやら、中に部屋があるらしい。


 俺は横から中を覗いた。

 

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます! ちょっと説明が多すぎたのが、悔しいところです。説明ばかりの文章はつまらないですから。次の話は4月10日夜11時30分に投稿する予定です。


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