エヴァと長い1日 終幕
最終話となります お付き合い頂いた方々 ありがとうございますm(_ _)m
残念ながら、沢山の人の目に触れずに終わってしまい 自分の力不足を痛感しておりますが
ミステリーを書く手応えも感じましたので、懲りずにまた書くかもしれません その時はまたお付き合いいただければ嬉しいです
【これが読まれているということは、わたしに何かがあったのか
犯人と思われるものが捕まったということですね
もしも前者ならば、お兄様が責任を感じる必要はありません
そして後者ならば、お疲れ様でした 答え合わせですが、エルトン·ファべレイラを殺害した犯人は、彼の祖父のジョージ·ファべレイラです
殺害に使った凶器は、ファべレイラ家のエントランスホールにあるゴルフクラブの7番アイアン
それだけが、クラブセットから抜けていたので、犯行後に隠蔽したのでしょう
その根拠が、お兄様の部屋で見た。
エルトンの解剖写真で、右側頭部の陥没した部分にロフト角34度の7番アイアンのエッジが入射角59度で入った様子が伺えます
そして額に付いたシャフトの傷から正面から殴られた事が解り、その事から犯人は左利きです
エントランスホールに置いてある、ゴルフセットも左利き用で、家族の中でジョージ·ファべレイラだけが左利きなのです
エルトンを殺害後、マリアーバの河原に遺体を放置しに行ったのは、エルトンがエリカのカンドンブレ教会と揉めていた事を知っていたジョージが、捜査の撹乱を目的として黒魔術の装飾を施したのでしょう
殺害の動機は、取り調べで明らかになると思いますが、わたしの想像では、薬物の中毒になっていたエルトンが金の無心あるいは、家の金を盗もうとしていた所をジョージが見つけ口論になった 娘のジェシカにエルトンが薬物中毒だと知られたくないために家からエルトンを遠ざけていたジョージは逆上しエントランスホールにあった7番アイアンで殴ったのでしょう
娘のジェシカを悲しませたくない一心の犯行だと思います
そしてこの事件には共犯者というより協力者がいます 大柄なエルトンを車に乗せるのは、ジョージ1人では困難ですし、黒魔術の装飾を用意したのも協力者でしょうから……
取り調べの助けになれば幸いです
これでお兄様もゆっくり眠れると良いですね 可愛い妹·エヴァ】
「ブルーノ お前の妹は何者なんだ? 2日前に犯人が解っていたというのか? 写真から入射角や凶器の特定まで出来るものなのか?」
興奮した様子で椅子から立ち上がる ルイーズ
「ええ そう言っていました エヴァの目は特別なんです 暗闇も見えるし、一度見たものは絶対に忘れません」
「では、なぜ2日前に教えなかったんだ?」
自然と声が大きくなる ルイーズ
「それは、凶器を見つけられなければ、あれほどの街の実力者を立件するのは難しいと考えたようです 実際にあの時点でジョージに疑いを向けていれば、揉み消されていたでしょう……」
「……確かに、そうかも知れないな……」
落ち着きを取り戻したルイーズが椅子に座り タバコに火を点ける
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翌朝から行われた取り調べでは、捜査主任であるルイーズが担当し、概ねエヴァの予想通りの
結果がジョージ·ファべレイラの口から証言された
「娘のジェシカに、自分の息子が麻薬中毒で家から金目の物を盗み出しているという事実を知られたくなかったのだ ジェシカの悲しむ顔を見たくなかったのに、わしが1番あの娘を悲しませることをしてしまった……あの娘には、綺麗な世界だけを見て生きて欲しかっただけなのに!」
唇を震わせ、拳を握りしめる ジョージ
「ファビオの証言では、エルトンの遺体を運んだ事と、あなたに命じられカンドンブレ教会を襲った事を認めていますが、間違いありませんか?」
「ああ 間違いない」
「なぜファビオは、他人である、あなたにそこまで協力をしたのでしょう?」
「ファビオは、わしの父の代から働いてくれていてな キューバから密航してきたファビオを
父が手を回して帰化させたり、仕事を与えたり 今はファビオの娘が通う医大の費用はわしが、すべて出しておるしな 昔からわしの言う事は何でも聞いてくれた」
「では逆に、あなたの父は、キューバからの密航者であるファビオに、なぜそこまでの世話をされたのでしょう?」
「………それは、わしの父親の問題だ………わしは、話したくない………」
「少し休憩しましょう タバコを吸いますか?」
胸ポケットから取り出した マルボロを差し出す ルイーズ
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翌日の午後 エヴァは片付けを手伝うためにエリカの元を尋ねていた
「今日は、こっちのエヴァちゃんなのね」
新しく取り付けられた窓に赤と黒の模様のカーテンを掛けながらエヴァを見る エリカ
「あっちのエヴァは、働き過ぎてお休みです 燃費が恐ろしく悪いものですから」
エリカの登っている、ハシゴを押さえながらエリカを見上げる
「朝にあなたのお兄さんが来てね、いろいろと教えてくれたけど例の離れの地下からもいろいろと出てきたみたいね」
カーテンを掛け終えたエリカが、ポットの紅茶を淹れ エヴァに差し出す
「ええ メトロポリタン病院での先代の時代からのキューバからの密航者を受け入れ、人身売買や臓器売買を行っていた記録が出てきたらしいです その斡旋や臓器売買の希望者を募っていたのがファビオのグループだったようですね」
「それは恐ろしい話ね……」
「なぜ あそこにあんな物が、あると解ったんですか?」
「わたしのオリシャが教えてくれたからよ あそこに掛けられた呪いを解きなさいって」
自分のカップに2杯目の紅茶を注ぎ、口へと運ぶ エリカ
「やっぱりエリカさんは本物だったんですね!」
「疑っていたのね まぁいいけど それでアドリアーノやご両親は大丈夫なの?」
「今日も大学には来ていませんけど、きっと大丈夫です わたしが居ますから!」
エヴァの足下で5匹の黒猫が戯れていた
了
拙作[戦国魔法奇譚]こちらはまだまだ連載中です
またお会いしましょう
結城謙三




