エヴァと長い1日 策略
ジャルジン·オリエンタルの閑静な住宅街に入り、のろのろと徐行しながら走るフースカ
「いよいよですね これで真実が、明るみに出ます」
フースカの後部座席から降りた エヴァが呼び鈴に指を掛け ブルーノとエリカに振り返ると
黙って頷く 2人
呼び鈴を押し、2分ほど待ったところで家政婦のタリータと思われる足音が門へと近づいてくる
「はい どちら様でしょう?」
通用口の小窓が開き のぞき込むタリータと目が合い、軽く頭を下げる エヴァ
「ああ エヴァさん……今日はどのようなご要件でしょう?」
ポリシア·シビルの制服姿のブルーノと祈祷師の衣装を着たエリカを警戒しているのか 鍵を開けずに小窓から話しかけてくる
「ええ アドリアーノに事件の進捗を教えると約束していたものですから……都合が悪いようでしたら出直しますけど……」
「そうでしたか それでしたら聞いてきますので、ちょっと待ってもらえますか?」
そう言うと、小窓を閉め足音が遠ざかっていく
「彼女の喋り方、少しスペイン語訛りがあるわね?」
「そうですね、彼女の旦那さんは流暢なスペイン語を話していましたから、移住か出稼ぎで来ているのでしょう」
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「あのエヴァさんとお兄さんのブルーノさんがいらしていますけど」
昨日同様、家族も親族も揃った居間の扉を開け アドリアーノに向かって伝える タリータ
「ああ 事件がどうなっているのか、伝えに来てくれたんだね」
アドリアーノが祖父を見て、許可を求める
「そうだな お通ししなさい そろそろ進展があったのかもしれん」
「それが、前に見えたブードゥの祈祷師の女性も一緒なのですが……」
「なに!? なぜあの女が一緒なのだ?」
「いいじゃないですか お祖父様、僕は一度見てみたかったのです エヴァ先生が連れてくるということは、やはり何か関係しているのでしょう」
祖父のジョージを見て、頷くアドリアーノ
「昨日話していた ブードゥの女祈祷師の事かい? 僕らも見てみたいな もしかしたら
罪を認めに来たんじゃないかい? 会おうよ兄さん」
「あ……ああ……」
「じゃあ タリータすまないけど、ここに案内してくれる」
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通用口のドアを開け 3人を向かい入れる タリータ
「Lamento las molestias. Muchas gracias.」(手間を掛けました ありがとうございます)
「あら エヴァさんスペイン語が解るんですか?」
驚いた目でエヴァを見る タリータ
「はい 少しですが解ります、たしかタリータさんは旦那さんとベネズエラからいらしたんでしたっけ?」
「あらっ?そんな話をしたかしら?」
「先日、外の植え込みの手入れをしているファビオさんに聞きましたけど」
エヴァはさらりと言いながら、タリータの反応を見る
「ああ 彼と話したんですね 彼は、ベネズエラと言ったんですね でも私たちはキューバから来たんですよ 今はブラジルの永住権を持っていますが、当時はキューバから来たと言えなかったので……」
「ごめんなさい 何か事情があったのですね たしか子供さんが……」
「ええ 1人娘です クリチーバの大学に通わさせてもらっています 私たちに似ずにとても
頭のいい娘なんです」
途端にタリータの表情が柔らぐ
「卒業したら、こちらで就職されるんですか?」
「ええ ファべレイラの皆さんには、お世話になっていますから、来年から研修医としてですが
メトロポリタン病院で働かせてもらって、少しずつでも恩返しをしなければ」
「それは楽しみですね」
エヴァは、タリータとファビオの情報をなにも持っていなかったのだが、2人がキューバから
なにか非合法な方法でブラジルに入国し、どういった経緯かファべレイラ家の援助で衣食住を得て、おそらくは娘の進学まで面倒をみてもらっているのだろうという情報を得た
そのままタリータの案内で居間のドアを開ける
「たしかマリンガ署のブルーノといったな、いつになったらエルトンの遺体をこっちに返してくれるんだ!?署長に言っても、もうすぐもうすぐしか言わん それにその女はなんだ?
なにを考えてここに連れてきているんだ!?」
ドアを開けるなり、挨拶もなしに、いきなりがなり立てる ジョージ
「お祖父様 やめてください忙しい中わざわざ来てくださっているのに」
アドリアーノが、ジョージを落ち着かせようと肩に手をやる
「みなさんこんにちは、エルトンはすぐにお返しできると思います こちらのンザンガ·シノの
祈祷師エリカの協力でエルトンを殺した犯人を占って頂きますので」
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