エヴァとエヴァ2の指令 2
「今日ね、わたしと兄貴でね 例のカンドンブレの教会に行ってきたの」
冷たいコーヒーのグラスに口をつける エヴァ それを見てなぜか頬を染める アドリアーノ
「はい 行くって電話くれましたよね」
ベッドに腰を掛ける アドリアーノ
「その事を、みんなに話してくれた?」
椅子のキャスターを転がしながら、アドリアーノへと近づいていく エヴァ
「はい話しました 親戚も何人か来ていて、祖父を中心にブードゥーの話で盛り上がってました それで、その経過がどうなったのか教えて欲しいと言われましたけど……」
「わたしね 初めてああいう所に行ったんだけど、凄く怪しげだったわ」
ー『エヴァ2の指令を思い出しながら、慎重に言葉を選ばないとね……』ー
「怪しいというのは、どういうところがですか?」
「まずね教会といっても、住宅街の中にあって気をつけて見ていないと普通の住宅とちっとも
変わらないの、つまり存在を隠したいんだと思うわ」
「なるほど、それは怪しいですね」
「それにね、黒猫もたくさんいるのよ あれは、生贄にするためじゃないかしら?」
大袈裟に憐れみの表情を浮かべる エヴァ
「そんな……やはり生贄を捧げるていうのは本当だったんですね!? 可哀想になんとか助けてあげられないでしょうか?」
本気で心配するアドリアーノにエヴァの胸が少し痛んでくる
ー『でも…私は、何も嘘は言っていない 見たままを言ってるだけ…ごめんアドリアーノ』ー
「兄も怪しんでいるんじゃないかしら?」
「エヴァ先生 今の話をみんなにも聞かせてくれませんか? さっきも言いましたが、捜査の進捗をみんなが気にしていますので」
「それは構わないんだけど わたしの口から話してもいいのかしら? 警察関係者じゃないのよ? 兄貴と亡くなった父さんが警察官だというだけで」
「それはエヴァ先生が見たままを話してくれたら構いません 先生のお父さんもすごく優秀な警察官だったと聞いています みんな惜しい人を亡くしたと嘆いていました そんな方の娘である先生の話なら聞きたいと思うんです」
「いいわ じゃあ行きましょう」
ー『ここまでは、これでいいのよね? 何とか言えないの!? エヴァ2の指令の残滓を必死に追う エヴァ ここからが本番ね』ー
エヴァとアドリアーノが揃って階段を降りる エントランスホールでタリータに自分とエヴァに
冷たいコーヒーを淹れて、居間に持ってくるように頼む アドリアーノ
アドリアーノが緊張した面持ちで居間のドアを開けると、淀んだ空気が流れ出て頬に触れた気がした 一歩足を踏み入れると、居間にいる全員の視線が注がれる
「あのこちらは、エヴェリン·島袋といいまして、お兄さんがマリンガ警察署の捜査官で
亡くなったお父さんもマリンガ警察署に長年勤められていたそうです 今日、お兄さんと一緒に先ほど話に出ていたブードゥーの教会に捜査に行ったらしいので、その時の状況を非公式ですが話してくれるそうです」
アドリアーノがエヴァと面識の無い、親類の人達にエヴァを紹介してくれる
まるで今の紹介だと、エヴァも警察関係者のようだが、とくに否定もせずに頷いておく
メトロポリタン病院の副理事長をしている 叔父と叔母
父シェストンの両親 サンパウロから駆けつけてくれた2人の従兄弟 一人一人にエヴァを紹介し挨拶を交わす
「お嬢ちゃんは、あのネルソンの娘かい? マリンガ警察署に長年勤めて日系人の奥さんと言えば ネルソンだよな?」
メトロポリタン病院の副理事長をしているという、アドリアーノの叔父が握手を交わしながら聞いてくる
「はい そうです 父をご存知なんですか?」
「この街に長年住んでいて、あんたの親父さんを知らない奴なんかいないよ……
本当に惜しい人を亡くしたもんだよ あれからこの街も住み難くなっちまったもんだ
こんな嫌な事件ばかり起こるしな」
「お〜 あのネルソンの娘さんだったのか? それは気づかなかった じゃあ早速だが今日あそこで見てきたってものを話してくれるか? もちろん非公式っていうなら署長には内緒にしておく」
アドリアーノの祖父 ジョージがソファーに座り直し アドリアーノの両親と合わせて
ここに居る8人がアドリアーノとエヴァを囲むように コの字型のソファーで身構える
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