エヴァとエヴァ2の指令
「ふ~ん 綺麗にしてるんだね 私の部屋も今は綺麗だけどね!」
“いつもはむちゃくちゃだけど”と言いかけて、ぐっと堪える
「ええ タリータが毎日掃除してくれますから 何か飲み物を持ってきますけど、何がいいですか? コーヒーかお茶かコーラならあります」
「えっと…冷たいコーヒーを頼んでもいい?」
「コーヒーを冷たくして飲むんですか? そんなの聞いたことがないですけど」
「インスタントコーヒー有るよね? お水に少し濃い目でコーヒーを作ってミルクと甘味料を入れて氷を入れたら完成です!」
日本から帰国した友達に聞いて作ってみたのだが、最近ハマっている エヴァ
「わかりました作ってみます あっどうぞここにでも座って下さい」
窓際に置かれた 机から椅子を引き出しエヴァに勧めると、何故かそわそわとした様子で部屋を出ていく アドリアーノ
アドリアーノの出ていった扉に耳をつけて トンットンットンッとアドリアーノが階段を降りていく音を確認する
「さて あの子に見ろと言われたのは……まず本棚と……ベッドの下ね」
エヴァの背よりも少し高い本棚を背伸びをしながら、右から左 下の段の左から右、 さらに……
と繰り返し一番下の段までとくに何も考えずに見る そして部屋の右奥に位置するベッドの下も四つん這いになりながら見たが、予想に反して何も置かれてはいなかった
「わたしのベッドの下は……常時、靴が5、6足 脱いで蹴飛ばした靴下も有るわね……
何か青少年の見てはいけないものがあると思ったのに兄貴とは大違いね あと見なくちゃいけないのは……机の上とゴミ箱ね」
大き目の独り言を話しながら、座るように勧められた椅子に腰掛けて机を見る
卓上型のカレンダーを手に取り、目を通す 細かく予定などが書かれているが、毎週月曜日の15:00エヴァ先生の部分だけが赤字で書かれており一際目を引いた
念の為、先月6月のカレンダーもめくり目を通しておく 所々にRs100とかRs200と書かれているのが目についたくらいで、その他はサッカークラブの予定や友達などの誕生日くらいだろうか
なんとなく気になり、さらにめくって自分の誕生日の5月26日を見ると 枠いっぱいに赤いペンで
ハートマークが書かれ、誕生日と書かれていた……
「まさか……アドリアーノの彼女ってわたしと同じ誕生日なの??」
などと驚きつつ、そう言えばわたしの誕生日にカカオショーのチョコレートくれたな〜
あれは彼女にあげるついでに買ってくれたんだろうな~と思い出す
「と言うことは、来年も期待できるわね! そう言えばエヴァ先生も彼女と同じ誕生日だった
ついでに何か買っておくか〜ってね」
1人不気味に笑いながら、机の横のゴミ箱に視線を落とす
どうやら家政婦のタリータは、ゴミ箱が一杯にならないと回収しないのか半分近いゴミが見えている 少し後ろめたい気になりながら、コーラの缶や紙屑を避けながら、くしゃくしゃになった
メモやレシートを広げて見る
「いけない事だと解ってるんだけど あの子の指令だから しょうがないわね!」
ひと通りレシートなどに目を通し、青いメモを広げると乱暴な字で殴り書かれている
“アドリアーノごめん 近いうちに話すからな”
“ガチャッ”ドアノブを回す音と同時にゴミ箱に投げ捨て、机上の写真立てを手に取り見ていた
ふりを装う その写真には、4人の人物が写っており両端にアドリアーノの両親が、真ん中で肩を組んでいるのがアドリアーノとアドリアーノによく似た顔立ちだが、背がやや高く赤味がかった髪を伸ばした青年が写っていた ドアの方を振り返ると アドリアーノと眼が合う
「ごめんね勝手に見て、彼がお兄さんのエルトンよね あなたによく似ているわ?」
アドリアーノと肩を組んでいる青年を指差す エヴァ
「ええそうです 数年前にサンタカタリーナのカンブリューに行った時の写真ですね」
机の上に氷のたくさん入ったコーヒーのグラスを置く アドリアーノ
「アドリアーノ 一口飲んでみる?」
「お腹が痛くならないですか?」
「わたしが頼んで作ってもらったんだから、おいしいに決まってるでしょ!」
強引にアドリアーノの口にグラスを持っていき、一口飲ませる
「あっ 本当だ! おいしい!!」
「でしょ〜 実はホットコーヒーは好きじゃないんだけど これは別ね」
「なんか……エヴァ先生が居てくれて良かったです……」
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