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ブルーノとフースカ 2

上機嫌に鼻唄を歌いながら、サランジの新興住宅地オーロ·ベルジに通じる高速の出口を出る

3年ほど前から分譲の始まった住宅地のアスファル道路は、まだ新しく碁盤の目のように規則正しく区画整理された地区が広がり まだ建築の始まっていない土地や、建築途中の家々が並び

そこかしこにレンガや瓦が積み重なっている

仕事を終えた職人たちが、レンガに腰掛け缶ビールを手に談笑している

フースカの騒音が気になるブルーノは住宅地では徐行しながら石職人たちの横を通り過ぎると 

“フースカ·アズール” バッシ!! “ガッハッハッハ〜” ヒゲ面の職人が若い職人の肩を叩く


『実に楽しそうである。。。が。。。この男達は、青いフースカのオーナーの気持ちを考えた事があるのだろうか? 毎日道を走っているだけで人々が肩パンするのを見せられるんだぞ

だいたい青と言えば平和の色ではないのか? 例えば青いフースカを見たら近くにいる人にキッスをするとか? それはそれでなんか嫌なんだけど まぁみんな楽しそうなのは良いんだけどね』

などと毎日同じような独り言を愚痴りながらハンドルを握る


薄闇に包まれた住宅街、真新しい街灯が家々を照らす

叔母の家のある区画を曲がると、前方に人が集まっているのが見える

騒音に気をつけながら、叔母の家から少し離れた路肩に駐車すると

“フースカアズール!! アハハハッ〜”という聞き慣れた声が聞こえ 

叔父のセルザの肩を叩いているエヴァ 『妹よ お前もか!?』


家の前に数脚の椅子を持ち出し、近所の人達と談笑しているエヴァに近づき 

コツンッと頭を軽く小突く 大げさに痛がり頭を押さえながら

「顔はやめて!! ボディーにして女優なんだから!!」

“なんとか刑事”とかいうお気に入りの日本のドラマの台詞だ ドッと笑いが起こる

「エヴァ お前がなぜ居るんだ?」

「なんだか、真っ直ぐ家に帰る気にならなくってね」

「ブルーノ久し振りだな エヴァちゃんはよく来てくれるけど」

「ええ 叔父さん久し振り 仕事が忙しくてね 叔母さんはいますか?」

「スエは、もうすぐ帰ってくると思うよ」

「じゃあ待たしてもらいますね」 そう言って元愛車のBizに腰掛けタバコに火を点ける


「それでエヴァちゃん さっきの話なんだけど」

「あれ? なんの話ししていたっけ!? あ~そうそうあそこの娘さんがね〜 アハッハッハ〜」

「あらあら それは困ったわね〜 アハッハッハ〜」 

なんの話か解らないが、近所のおばちゃん達と盛り上がる エヴァ

子供の頃から、何故だかわからないがエヴァの周りには人が集まる 

人だけでなく道に居る犬や猫までがエヴァの足元にまとわりつくのだ 


以前2人でバスに乗っていた時の事、隣に座っていた男とエヴァがずっと楽しそうに喋っていた

その様子を少し離れた席から見ていたのだが、バスを降りてから知り合いだったのか?と聞くと

「ううん知らない人 あの人ね 喋れないし耳も聞こえないんだって 可哀想だよね」

「はぁ? お前って手話出来たっけ?」

「そんなの出来るわけ無いじゃん ハッハッハ」

「それでどうして、あんなに楽しそうに話していられるんだ?」

「うん? どうしてだろう? でもさ私が楽しそうに話して笑っていたら、相手もきっと楽しくなるんだよ 赤ちゃんもそうでしょ? 楽しそうに話しかけると笑ってくれるよ」

「いや。。。そうなのかも知れないけど。。。」

これはエヴァの才能なのだろう どんなに悲しいことがあっても周りを照らすことが出来る

最愛の親父が死んだ時でさえ··……… 

俺は、周囲の事など気にする余裕もなく自分の殻に閉じこもり続けたというのに………

そんな事を考えながら、2本目のタバコに火を点けると“バシッ”と肩に衝撃が走る

“フースカアズール!! アハハハッ〜”という聞き慣れた声が聞こえ 

振り返ると叔母であるスエが、大口を開けて大笑いしていた………

それを見て、さらに盛り上がるエヴァと近所のおばちゃん達 『叔母さん あなたもか!?』



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