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エヴァとファべレイラ家 5

一向に落ち着く様子を見せないジェシカは、夫シェストンと共に退室していた

「2人が戻るのを待ちましょうか?」

ルイーズが祖父ジョージに問う

「いや必要ない あの娘は優しい子なんじゃ、優しすぎて弱い娘なんじゃ。。。

おそらくしばらくは、戻れんじゃろう」

「シェストンは待ったほうが良いのではないですか? 被害者の父親ですし」

「ふんっ まったく情けない男だ、オロオロするばかりでなんの役にも立たん

気にせずに続けてくれ」

少し疲れた様子でふっとため息を吐くジョージ

「先ほどから言われているブードゥーですが、ブラジルではカンドンブレと言いますが

なぜ彼女がエルトンを殺したと思われるのですか? 黒猫を殺されたくらいで、人を殺さないと

思うのですが?」

「奴らは狂っておるじゃろう!? 呪いだの口寄せで死者と話せるなどと言っておるのだ

狂人でなければなんだというのだ!?」

「解りました調べてみますが、エルトンの交友関係のリストも渡していただけますか?」

「ふむ シェストンに用意させよう それでエルトンの遺体なんじゃが、わしの病院に引き渡しては貰えんだろうか?」

「法律医療研究所で検死を受けています それが済めば引き渡せるとは思うのですが」

「わしの病院でも検死は出来るぞ 身内を切り刻まれるわしの身にもなってくれ」

「その件は、署長と相談させてもらいますが難しいと思います」

「何が難しいものか!? この街で最高のスタッフを揃えておるんじゃ!!」

その時 居間の扉が開き鑑識官のウーゴがルイーズに目で合図をする “終わりました”

それに対してウーゴも目で応える “わかった 車で待っていてくれ”


形式通りの質問をすべて済ませると、お悔やみと時間を取ってもらったお礼を述べ

ファべレイラ家を後にする事を告げる ルイーズとブルーノ

家政婦のタリータに玄関ポーチまで送ってもらい ブルーノが、プールサイドに居るエヴァと

アドリアーノに声を掛ける

「エヴァ 我々は引き上げるが、お前はどうする?」

「私はBizがあるから、もう少ししたら帰るわ」

「そうか じゃあアドリアーノ お兄さんの事は本当に残念だったが、犯人逮捕に全力を尽くすからな」

「はい よろしくお願いします」 ブルーノのもとへと歩み寄り 握手を交わす



運転席でブルーノがハンドルを握り 助手席にルイーズ 後部座席に鑑識官の2人が座る

「それで被害者の部屋からは何か出てきたか?」ルイーズが後ろを振り返りながら問う

「ええ マリファナとこれは、おそらくコカインですね」

押収袋に入った50錠ほどのカプセルを掲げる ウーゴ

「今は、こんなカプセルで取り引きするのか?」

「富裕層向けですね あとは注射器と電話番号の書かれたメモ帳があったので全ページの写真を撮ってきました」

「医学部に通っていて、薬物に手を出すのか。。。?」

「2度も留年して、今年もすでに進級が危うかったらしいですからね 家庭内でも孤立していたようですから、そのストレスからじゃないですかね。。。」

ハンドルを握るブルーノが助手席のルイーズをチラリと見ながら話す

「そういうものかね〜 ただの甘ったれじゃないのか? 署に帰ったらウーゴとラファエルは薬物の出処を特定してみてくれ写真の現像もな ブルーノは手の空いてるのを2,3人連れて現場付近の聞き込みを頼む 例のカンドンブレの教会は明日だな」

「あそこの教会ですが、俺の叔母が何度か通っていたことがあるので、今夜にでもそれとなく

様子を聞いておきます」

「そうなのか? あまり余計な情報を与えないようにな」



警察署へ戻ると、署長室へと向かいひと通りの報告を済ませる ルイーズ 

「どうすれば良いじゃろ?」

現場になど出たことの無い、小太りの男が額の汗を拭う

「どうすれば良いとは?」

「いや 遺体の引き渡しの件じゃが。。。」

「署長! 渡せるわけが無いでしょう!! 殺人事件の30%以上が親戚縁者の犯行ですよ!?」

「そうなんじゃろうが あの理事長には随分と世話になっておるからな〜 遺体を渡したら

パトカーの1台くらい寄付してくれると思うぞ」

「絶対に駄目ですよ!!」

スーツ姿のルイーズが、署長の机に身を乗り出し詰め寄る 

「わっ わかっておる!」


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