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君はともだち  作者: 達磨法師
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胡蝶の夢

「私は田苑園子」と少女は元気よく名乗る。

僕は彼女、園子に手を引かれながら

「僕は佐藤優志」と答える。


「ゆうし?どういう字?」と彼女が問う


「優しいを志すって書いて優志」


「へえ‥いい名前だね‥で、君はどこから来たの?」


「東京」


「東京!?一人で?」


「‥」


「家出?」


「‥」

言葉に詰まる。


「まあいいけどね」と彼女は笑った


「ほら、着いたよ‥」と園子に言われて辺りを見渡してみる‥昔こういう絵本を読むことだ事がある。


三角の藁葺き屋根、水車に、牛も居る‥昔話に出てくるような光景だった。


「あれ‥園子‥だれその子」


「ちょっと‥サト‥人の名前で遊ばないでくれる?‥」


サトと呼ばれたその子は、園子よりもいくつか年上に見える。


「ごめんごめん‥そんなつもりなかったんだよ」と笑う‥どこかこの雰囲気は園子とよく似ていて、姉妹かと思ってしまった。



因みに補足しておくなら、僕は今14歳で、園子は16歳らしい、後で聞いたのだが‥


「へぇ家出少年か‥面白そうな子だね」



「別に家出じゃあ無いんだけども‥」


「えー一人で東京からこんな田舎まで来て?」


そう言われてしまうと返す言葉もない‥ってあれ‥今気付いたのだが、こうやって外を出歩くなんて何年ぶりだろう‥小さな頃は比較的に元気だったと思うが、小学校に上がる頃には、体の調子を崩す事が多くなり、こうやって外で家族以外の誰かと話すことなど無くなっていたから‥


妙に体が軽く、体の倦怠感もない‥


「私はサトコ‥君はゆうし君だったね宜しくね‥あっ‥ねえ園子たっくん達も呼ぼうよ‥」


「え?ああ‥いいかもね」


「たっくんって?誰?」


「村長んとこの息子‥因みに私は神社の一人娘だから」と言い園子は笑いかけてくる。


僕はこれからこの村で体験する事を生涯忘れることは無いと思う‥少なくとも、こんな不思議な出来事忘れようが無いと思ったのだ。



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