それは夢の中で
私には、誰にも信じて貰えない話が有る。
私自身も薄れかけた記憶。
それはもう、10年も前、私達の産まれ育った村がダムに沈むという話かが出たときの事。
私達はその計画に猛反対した。
いくら、立ち退き費用を積まれたとしても、いくら、条件の良い、物件を用意してくれても、この村には私達の大切な思い出が詰まって居るのだから。
さて、最初に言った信じて貰えない話‥なのだが
ダムの建設計画が出たときに、私達の前に、
何処かふわっとした雰囲気を纏った少年が現れたのだ。
私は彼のことを幽霊くん‥って呼ぶことにする。
私自身、彼のことを忘れかけて居るのだから。
何処か不思議なところもあったし、ひょっとしたら
本当に幽霊だったのかも‥なんてね。
俺には、誰にも信じて貰えない秘密が有る。
幼少の頃から俺は体が弱かった。周りの大人たちは、俺の体の弱さを、病気のせいだと言っていた。
現に週1,多いときは週2で病院に行っていた。
先生は俺に難しい名前の病名を付けた。
俺は、ひどい時で一週間二週間と高熱に浮かされることも合った。そこで、俺は不思議な夢を見ていたのだ、
夢の中で俺は、木々に囲まれた集落に居た。高熱を出して寝込んで居るときは、必ずこの集落の夢を見た。
本来の俺は、体が弱く、外で走ったりとか、友達と遊ぶとか、そういうことですら出来なかったので、
この夢の中では体が自由に動くことがとても嬉しくて
木々を掻き分けて探検をしていた、そこで、一人の少女と出会ったのだ。
彼女の名前は田苑園子というらしい、とってもかわいい子だった。