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もふもふ

ᓚᘏᗢ 密室から物音が聞こえる ᗢᘏᓗ

作者: 山目 広介

――ガタッ。


 そこは物置と化した部屋だった。

 今そこには誰もいないはず。なのに物音がした。

 何かが入り込んでいる。

 一番に思いつくのは飼い猫だった。


 当時、飼い猫は何匹もいた。

 だから今いない猫が犯猫だろうと考える。

 そのためには点呼と取らなければいけない。

 従って私は口笛を吹いたのだった。


 何故に口笛を吹くのか。それは猫が口笛でやって来るように調教されているからだ。

 ごめん、それは嘘だ。いつの間にか口笛でやって来るようになっただけだ。


 それで猫どもが集まった。

 1、2、……。数が2匹足りない。

 外へと行く。外出している猫がいる可能性があるからだ。

 歩きながら口笛を吹く。猫の名前を呼びながらというよりは恥ずかしくない。

 近所を一周してもやって来なかった。

 家までの一本道へ来る。すると後ろからの襲撃。猫の突進だった。

 しかし家にいた猫だ。いなかった仔も一匹いた。

 多分外で口笛を吹いたために家から出てきたのだろう。

 とりあえず、家へ持ち帰る。だが成猫だと一匹づつぐらいじゃないと難しい。

 玄関から中へ猫を放つ。

 外で猫を捕獲。また家へ。

 繰り返す。

 1、2、3、4、5、……。

 明らかに数が多い。家に入れる端から二階の開いている窓から外へと出て来る。エンドレス。

 遊びじゃない。何度も出たり入れたりするのは。


 とりあえず、今いる猫の数が一匹足りないことが分かったので放置する。面倒になったからだ。

 物音がする誰もいない密室のはずの部屋へ入る。 

 部屋には隙間が多く、猫の好きそうな暗がりの狭い場所だらけだ。

 探そうとしても出て来ない。

 呼んでもなかなか現れない。


 以前もこういうことがあった。

 あの時はいつもいる時間に居なかったために外へと探しに行ったのだ。

 口笛を吹くと返事はある。だが戻って来ない。

 だから動き回り、場所を特定した。その場所は近所の人の物置だった。

 そこから鳴き声が聞こえた。

 そこの家の人と交渉し、ドアを開けてもらい、猫を呼ぶ。だが現れない。

 何度も挑戦して、30分ぐらいだろうか。漸く姿を現した。

 普段その物置は開けないという。下手したらそこで餓死していただろう。

 お礼を言って猫を連れ帰った。


 その例から30分、物置と化した部屋のドアを開けて待っていた。

 そしたら猫がゴソゴソして出てきた。下手に寝てたりしたら、いつ出てきたのか分からない。

 確か家族も夜中物音がするから開けたら出てきたと言っていた。

 猫は暗く狭い場所を好む。でも、締め切る場所は止めて。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 良かった〜。てっきり子どもを産んで育てているのかと(笑) どうやって入ったんだ!?ってありますよねヽ(=´▽`=)ノ やはり猫は液体。(ΦωΦ)
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