メスガキリーヴェは大切なものを守るために
リーヴェの頭をよぎったのは、アルムとの思い出だった。
思えば、リーヴェはアルムに助けられ続けてきた。
アルムという存在が居たから頑張ってこれた。
勇者としての責務を果たしているのだって、アルムに褒められたいからだ。
もはや、リーヴェにとってアルムは居なくてはならない存在だった。
アルムには酷いことを言い続けてきてしまったが、それはただ素直になれなかっただけで、本当にアルムのことを大切に思っていた。
でも、どうしても本当の気持ちをアルムに伝えることは出来ない。
「本当は大切に思っていた」なんて、それが都合の良いセリフであることはリーヴェにも分かっていた。
だから、言い出せなかった。
それでも、そんな大切に思っていたアルムが目の前で敵に殺されそうになっていたら、身体は勝手に動いてしまう。
いや、言葉で表せないからこそ、この窮地で行動で表してしまった。
今までずっと守られ続けてきたのだから、今度はリーヴェがお兄ちゃんを守る番だと、そう思ったのだ。
男の言う通り、リーヴェにはもはや自分の中の勇者の力を感じることは出来なかった。
ただの無力な頃の自分……
あんな攻撃を受ければ一瞬でバラバラになってしまうような弱い自分……
それでも、絶対にアルムを傷つけるのだけは許せなかった。
迫る斬撃を前に、足がすくむ。
「リーヴェのほうが……強いんだから……ッ!」
小さく呟いたその言葉は、最後の虚勢。
アルムに教えてもらった強者の真似事。
しかし、足の震えは幾分か収まった。
――絶対にここから離れない。
そう決意した少女は強い意志を宿した瞳で前を向く。
そこに立っているのは、ただ守られるだけの子供ではなかった。
――そして、少女の「守りたい」という強い意志は奇跡を起こした。
あと2話で完結です!
本日の19時過ぎと21時過ぎに投稿予定です!




