“ヴァーレイ”1
夢を見ていた。まどろみの様で深い眠りにいるような夢。深く濃い闇のような中で最凶の闇龍ジルニトラが話しかけてくる。
『お前がここに来るのはまだ早い。だがお前なら何時かここにたどり着きーーーーでさえも倒せるかもしれん...まぁ生き残ることだな。
友が呼んでいるぞ。早く行くがいい。』
『待ってくれ!なぜ現実に魔獣がいるんだ!?教えてくれぇぇえええー』
『知りたいのならーーーーを探せ。さあ、行け』
「皐月!皐月!!起きろ!」
「哲也!?どうなったんだ?ヴァーレイは!?」
「落ち着け!見に行ったけどアイツはグラウンドにいる。グラウンドに入らない限り動かないし、グラウンドから出られないみたいだ。しかも...俺らにはMythical storyの力があるみたいだ。お前も“ガイド”から説明してもらえ。」
「“ガイド”?なんだそれ...?」
そういった途端それは現れた。
〈ガイドを表示しますか?〉
〈はい〉 〈いいえ〉
「文字が空中に浮いてる!?なんで!??」
「それは他の人には見えねぇ。脳内の信号をいじって見えているように錯覚する仕組み...らしい。」
「なんで哲也はそんなこと知ってるん?」
「皐月より先に起きて“ガイド”に説明してもらったんだ。今の状況も含めてな...」
そうか...まあとりあえず〈はい〉を押すか。
あれ?〈はい〉押したのになんにもならないんだけど...?〈いいえ〉も押してみるか...。 あれっ!?〈いいえ〉は押せたんだけど...ええええええええええええ!?
「哲也ー。〈はい〉押してもなんにもならないんだけど?」
「え?まじで?じゃあ俺が説明するよ。」
そう言って哲也は説明を始めた。
まとめるとこんな感じだ
ㅇ一度に最大4体のキャラを召喚もしくは憑依することが出来る。
ㅇキャラにはそれぞれAIが積んである
ㅇスキル使用は指示することが出来る。スキル使用を任せることも可能。
ㅇ死んだキャラは蘇生スキルじゃないと生き返ることが出来ない。
ㅇ俺らにも攻撃は来る。
ㅇガチャはない。
ㅇ1週間後からクラン戦が開始される。
ㅇ強化素材はプレイヤーに使用することも出来る。ただし、強化できる限界というものがあり限界は魔獣を倒すことで上がる。より強い魔獣を倒すことでより多く限界をあげることが出来る。
「じゃあ本当にそんな世界になってしまったのか....」
「皐月!あそこにいるヴァーレイ倒そうぜ!俺らの【フルパ】なら“ハイト”が出てきても勝てる!しかもヴァーレイは神話級だ。倒したら俺らが強くなれるぜ!?こんな世界で生きていくには必要だろ?」
「でも負けたら死ぬんだぞ!?」
「負けねぇだろ?俺らは世界ランク1位のクランのクラマスとサブマスだぜ!?」
そう言って哲也はニヤリと笑った。