イルミネーション②
いつも通り2000文字近辺でまとめるつもりだったんですが、少し長くなってしまいました。。。
「いらっしゃい!」
「今日はよろしく! あっこれお土産ね」
約束した週末。家に司君と香澄さんが遊びに来た。
川原君とかなめさんもこの後来る予定だ。
「待ってたよ~ お茶入れますので座ってて~」
と料理の支度をしているエプロン姿の美樹。
「ありがとう! ってすごい豪華だね!!」
俺も手伝う形だったけど、今日の昼食は美樹が振る舞うということで朝から頑張っていた。
パスタにサラダ、唐揚げやポテト等の揚げ物、そして箱根の旅館"暁"特製の煮物!(俺の得意料理)とテーブルの上には所狭しと料理が並んでいた。
「美樹、料理の腕上げたね。前は全然だったのにw」
「うん。お母さんに色々と教えてもらってるの。後は広木さんのご両親やお義姉さんも
旅館で料理を作ったりしてるから色々とレシピ習ってるんだ」
そうなんだよね。いつの間に親父たちとも連絡先交換してて料理の話しとか相談してるみたい。
特に春香姉と冬美とは普通にプライベートな相談や遊びの話しとかもしてるみたいだ。
よっぽど気が合ったんだね。
と、雑談しているうちに川原君たちも到着。
着いて早々だったけど、席に座ってもらい昼食会を開始した。
「「いただきま~す」」
と盛りだくさんの料理を皆で食べ始めた。
「うん 美味しいよ美樹!」
と香澄さん
「何だか新妻の味だね」
と司君。何だかエロいぞ。。(後頭部を香澄さんに叩かれてるし)
「この煮物の味付け凄くいいですね」
とかなめさん。中々お目が高い!!
「唐揚げ美味しいです」
と川原君。唐揚げ好きだよな・・確か昼飯も唐揚げ率高かった気が。。。
「ありがとう。もっと勉強して広木さんに美味しいごはん食べさせてあげるんだ♪」
「今でも十分おいしいし、あんまり無理すんなよ♪」
「「糖分高めなんだけど。。。」」
とまぁそんなお食事タイムを終え、食後は、美樹がはじめて家に来た時と同様にシンセを皆で触りながらガボールネタ含む音楽の話や控えてる結婚式の話しで盛り上がった。
川原君たちも今は式場とかを探しているらしく色々質問されてしまった。
この二人 仲が良いのはもちろんだけど、幼馴染ということで既に熟年カップル的な雰囲気も出してるんだよね。まぁ単純に知り合ってからの年数だけなら自分の年齢とイコールだからね。。
ふと時計を見ると15:30。
イルミネーションを見るにはちょうど良さそうな時刻。
「じゃそろそろ移動しようか」
ということで各自荷物を持ち駅に向かった。
家の最寄りの調布からよ○みうりランドまでは電車の乗り換えなしで10分弱
駅から入園ゲートまではゴンドラに乗ってこれも10分弱
「うん 丁度いい感じに16:00に到着したな」
「そういえばなんで16:00なんですか?」
「あぁこの遊園地16:00以降の入園はナイトパスってのがあってだいぶお得なんだよ」
そうなのです。
ナイトパスだとアトラクションの制限や周れる時間も少なくなるけど1日パスの半額以下なので、イルミネーション見てちょっとアトラクションも楽しみたいという人には便利なんだよね。
「まだ明るいし少しみんなでブラブラして、イルミネーション始まったら別れて行動しよか」
「「了解」」
ということで園内を皆で30分くらい見て周った後、解散しての行動となった。
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Side 広木
「お膳立てはしたし、後は司君次第だな」
「そうですね。大丈夫ですよ きっと」
「そうだね。じゃ俺達も楽しも」
ということで俺と美樹はとりあえず園内を散策した。
前に行ったディ○ニーランドと違って、いわゆる昔ながらの遊園地。
メリーゴーランドにコーヒーカップ、お化け屋敷、ゴーカート、ジェットコースターなど馴染みのある遊具が多い。
とりあえず、カップルらしくコーヒーカップでクルクル回り、お化け屋敷で"わーきゃー"言いながらイチャツついた。そして、
「あれ乗ろうか」
「はい!」
と俺たちは遊園地の名物の1つでもある大観覧車に乗った。
小高い丘の上にあるこの遊園地。観覧車もより高いところから景色が見える
散策しながら見たイルミネーションも綺麗だったけど、上から見下ろすイルミネーションは東京の夜景と混ざり更に美しさを増していた。
「あれ スカイツリーかな。あっちは東京タワー?」
「結構遠くまで見えるね」
観覧車のゴンドラの中 並んで座り夜景を楽しむ。
1周13分の二人だけの密室。
また今後二人で来たいなぁ~
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Side 川原
「かなめ コースター乗る?」
「うん 乗る乗る!でも慎吾は大丈夫?」
「大丈夫!ここのは随分昔だけど乗ったことあるし
それにコースターから見えるイルミネーションも綺麗らしいよ」
ということで園内を走り抜ける人気のコースターバンデッドの列に並んだ。
人気ということだけあって結構並んでる。
来るときは相原さんたちと一緒だったけど、今は二人きりだし普通にデートだよねw
「ねぇ慎吾 香澄ちゃん達大丈夫かな?」
「う~ん 僕は二人ともそれ程付き合いないけど、現状付き合ってるわけだし大丈夫じゃないかな」
相原さんに誘ってもらったときに香澄さんと司さんの話しは聞いていた。
何かして欲しいとかではないらしいけど、気にかけておいて欲しいとの事。
僕らの時も色々と動いてくれたけど、相原さんって本当に気遣いの人だよな。尊敬してしまうよ。
等と考えているうちに僕らの順番が回ってきた。
「えっ 一番前!!」
「わぁ 特等席!!」
微妙に僕とかなめのテンションは違うが。。。
確かに人気があるだけあって、迫力もあり よく出来たコースターだった。。。
ただ、一番前はねぇ~かなり怖いよ。
正直 余裕なくてイルミネーションなんて見てられなかったです。
ちなみにかなめはご満悦だった様です
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Side 司
みんなと別れてしばらく歩いた後、俺と香澄は雑誌で特集を組んだという噴水広場を目指していた。
噴水広場でのイベントショーは30分間隔で開催されているみたいだけど、着いた時にはちょうどショーが始まっていた。
水面に広がるLEDライトの光の中。たくさんの噴水から水が噴き出しレーザーや炎、音楽の演出で彩られている。
「わぁ綺麗~」
「あのさ香澄」
「ん?」
「香澄の方が綺麗だよ」
「な・・・・何を急に。急に私を褒めてどうするつもり」(嬉しいこと言うじゃないw)
暗がりに光るLEDの明かりのせいで顔色はわからないけど、多分いつもみたいに顔を赤くしてツンツンしてるんだろう。本当褒められるの苦手だよな。
「どうするかぁ~ じゃ俺と結婚してくれ」
「へ?」
「村瀬香澄さん 好きです。俺と結婚してください」
「え・・あ・・・な・・・」 (え? あんた 何言ってんの?)
「俺じゃ駄目か?」
しばし沈黙の後、香澄が俺の胸に飛び込んできた。
「こんなところで、そんな事言うなんて司のくせに生意気よ!」(どうしよプロポーズだよねこれ)
「それは肯定してくれたってことでいいのかな?」
「ふん!私くらいしか司のオタク話しについていける人なんていないだろうからお嫁さんになってあげるわよ!」 (あ~もう私みたいなオタク娘でよければお嫁にもらってください!!)
「ありがと。大好きだよ香澄」
「何だか司の計画通りみたいな感じでムカつくわね。。。」 (私も大好きだよ 司)
と言いながらも香澄は俺の背中に回していた手に力を込め更に抱き着いてきた。
多分、まだ顔は真っ赤なままなんだろな。
本当素直じゃないなぁ~
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Side 香澄
今日はなんて素敵な日だったんだろう。
帰宅してベッドに横になり今日を振り返った。
自然と口角が緩んでしまう。
美樹たちの幸せそうな家にお邪魔して"羨ましいなぁ"とか思ってたら綺麗なイルミネーションの中で司からプロポーズされた。
帰りの電車の中も嬉しくてずっと司の手を握っててしまった。
司とは家の方向が逆だから新宿で別れたけど もっと一緒に居て甘えたかったなぁ~。
とりあえず、本編のイベントとして書きたかった話しは書けました。
後は、結婚式周りとエピローグで本編は終了予定です。
後、数話ですがお付き合いいただければと思います。
ちなみに今日はこの1話のみですが、22日は余裕があれば2話掲載します(1:00と13:00)




