親孝行の旅①
今回は美樹視点です
Side 美樹
「う~ん 広木さ~ん♡」
と横にいるはずの広木に抱き着く・・・
『あれ?・・・・・居ない?』
『というか ここは何処??・・・・私のお部屋?』
広木さんと入籍するまで毎日見ていたいつもの天井。
『あれ?入籍?私は広木さんと入籍して広木さんの家に住み始めた・・・んだよね。。。』
もしかして今までの幸せな時間は全て夢・・・・?
『な~んて流石にそんな夢落ちは無いよねw
うん 思い出した。昨日は実家に泊ったんだ!』
そうなのです。
入籍を済ませ、香織さんたちにお祝いしてもらった日の週末。
今日は両親を連れて広木さんの実家の旅館に泊まりに行くんです。
結婚式前の最後の親孝行という事で広木さんが企画してくれて、お部屋を取ってくれたんです。
#というかお義父さんが融通してくれたみたいですが。。。
広木さんは昨日先に箱根に行って親子で過ごした後、私たちを箱根の駅まで向かいに来てくれる事になってます。ですから、箱根までは親子3人水入らずな感じです。
「お~い 美樹まだ寝てるのか? そろそろ出ないと電車に遅れるぞ」
「は~い 今行きま~す」
時計を見ると8時を過ぎたところ。
10時に新宿を出発するロマンスカーに乗るので、9時過ぎには家を出たいところ。
うん。今からお化粧して朝食食べると結構ギリギリだ。。。
慌ててお化粧をして、服を着替えリビングに降りる。
「もっと早く起こせばよかったか?」
「うん。結構ギリギリだよ。。。」
と用意してあったトーストを食べ軽く空腹を満たす。
うちは毎日パン食です!
「お父さんとお母さんは準備出来てるの?」
「あぁもちろん というか1泊だしね。旅館だから浴衣とかもあるだろうし荷物は少ないよ」
「了解。じゃぁ9時くらいに家でよ。」
ということでコーヒーを飲んで一息入れたところで歯を磨き荷物を準備して3人で駅に向かいました。府中の駅までは家から歩きだと10分少々。途中紅葉したイチョウ並木が綺麗だった。
こうやって3人で一緒に歩くのも久々。
としみじみと感じてしまいました。
駅からは特急に乗り、新宿には余裕をもって到着。
売店でお茶を買い、広木さんのご両親向けでお土産を買いロマンスカーの到着を待ちます。
今日のロマンスカーは最新型のオレンジのロマンスカー。それも先頭の展望席!
この日のために広木さんがチケットを取ってくれたんだ。結構人気で取るの大変みたい。
「ロマンスカーに乗るのは随分久々だが、展望席は乗ったの初めてだよ」
「本当 景色が素晴らしいんでしょうね」
お父さんもお母さんも始めての展望席で気持ちが高ぶってるみたい♪
そういう私も展望席に座るの初めてだしテンション高めなんだけどねw
と久々の家族旅行ということで色々と話をしているうちに電車が静かに動き出した。
最初のうちは住宅街を走るような感じだったけど、多摩川を越えて町田を過ぎたあたりから徐々に緑も多くなり、こ綺麗な景色を車窓から見ることができた。
「何だか展望席って凄く迫力あるね!」
私も電車大好き!というわけはないけど結構興奮した。
そんな展望席トークをしつつも、久しぶりの親子旅ということで色々と話をした。
私が小さかった頃の話しや学生時代の話し、人見知りが酷くて大変だったこと、美大の受験の事
そして、社会人として働き始めたことや紹介したい人が居ると広木さんを合わせたこと
3人でする昔話。
『お父さん、お母さん、今までありがとう』
何だか箱根に着くまでの2時間弱の時間は長いようで短く感じました。
「う~ん 天気もいいし気持ちいいなぁ」
「本当ねぇ箱根に来るのも随分久しぶりよね。結婚前に二人で旅行に来て以来?」
「そうかもなぁ 近いんだけどきてなかったな」
どうもお父さん達が付き合ってた頃に旅行で来た思い出の土地でもあるらしい。
「その時ってどこに観光行ったの?」
「彫刻の森と、大涌谷、芦ノ湖の観光船に乗ったな。で温泉宿で1泊って感じかな
でも母さんとは結婚前からあちこち泊りで旅行に行ってた気がするな」
「そうね。今思えば結構旅行に行ってたわね」
今もだけど、昔から仲良しラブラブ夫婦だったみたいだw
と駅前に出ると愛しの広木さんが向かいに来てくれていた。
「美樹!こっちだよ!」
私や両親に向かって手を振ってる。
何だろう1日会ってなかっただけなのに凄く久しぶりな気がする。
そして、会えて凄くうれしい気持ち、安心した気持ちになる。
会えてうれしいよ 私の大切な旦那様。
続きは通常の広木視点で2話書く予定です。




