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俺には全く関係がない。  作者: みやりく
山本楓の意図は誰にも分からない。
33/68

初陣

 こうして順番に参加種目を決めていく。

 

 プログラム内容自体は騎馬戦、棒倒しなど定番のものが揃った、特に変哲の無いものだった。

 

 もう皆高校生なので、特に誰がやりたいとかやりたくないで険悪な空気になる事もなく、種目決めはつつがなく進んでいく。

 

 俺は綱引きにした。力入れてるフリをしてやり過ごそうと思う。


「これもう終わっていいのか?案外早かったな」


 これで早めに6限が終わるかもしれないと、期待を膨らませながら山本に聞いた。

 

 だが山本はまた少し呆れたような表情をしている。

 あ、違うんですね。


「...まだ決まってないでしょ」


 そう言って横書きになっているプリントの最後の方を指差す。

 

 俺は閉会式の前に記されている、そのプログラムを見落としていた。

 つまり、最後の種目。


「クラス対抗リレー...?」


 山本はニヤリと頷く。


「そう、これがこのクラスの初陣だよ」


 初陣、と聞いてピンと来るものがあった。

 

 これが彼女のいう「クラスで勝つ事」の一つか。

 

 正直今俺が取り組んでいる応援団の話と、彼女のいうクラス作りとでは直接的な関係性が無い。

 

 応援団に参加しているのは、俺個人の問題だ。

 

 山本もそれは単なる研修みたいなものであると、そう言っていた。

 まあ意味はあまり分からないが。

 

 あの時は何か考えがあるような事を言っていたが、なるほどこの事だったのか。


「いやでもこれ四季組の点数に関係ないよな」


 率直な疑問が口から飛び出る。

 

 クラスで競った所で、四季組の点数には直接影響しないのだ。


「それ言ったら部活対抗リレーとかも関係なくなっちゃうでしょ。綾英だとそれがクラスで競う事になってるだけだよ」


「え、これ去年もあった?」


 俺たちの会話は普通にクラス中に聞こえているので、また笑いが起こる。


「大丈夫かよミナトお前」


 村上が笑いながらそう言う。


「いや知らねえよ俺多分出てないし」


「いやこれクラス全員参加だぞ」


「は?」


 流石に自分の記憶力を疑った。


 山本はまた呆れ顔だった。


「ははは!ミナトくん、さすがおじいちゃん」

 

 なっちゃんまで乗っかってきた。

 

 あれ、てかいつの間に「高田くん」から「ミナトくん」呼びになったんだっけ?

 

 初日の練習の時からもうそうだったっけ。

 

 そんな事に今更気が付いた。

 

 ちょっと待って、俺ヤバくない?

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