表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺には全く関係がない。  作者: みやりく
高田湊は踊れない。
29/68

少し経って

 新学年が始まって1週間と少しが経ち、昼の教室は一層その賑やかさを増していた。

 

 周りも段々とクラスでの立ち位置が分かってくる頃合いで、徐々にその慣れが外にも見え始めてくる。

 

 俺は変わらず無気力無関心、を貫くつもりだったのが、今年はそうは行かないのだ。

 

 応援団に加入して、初日の練習から今日までの間に3回放課後練習があったが、一応は全て参加し、なっちゃん率いるいつもの3人と真面目に取り組んでいる。

 

 と、自分の中では思っている。


 まあそんなわけで、自分にしては新学期早々やたらと忙しい日々が流れゆくのを感じている所なのである。

 

 全体練習は月水金の週3日。

 

 それに加えて来週からは昼練も入ってきて、体育祭に向けて段々とそのペースは上がって行く。

 

 今でさえまあまあ力入れてると思うのに、ここからまたギアを上げるわけだから、ホント行事に関しては本気だよな、この学校。

 

 何がそんなにさせるんだか。

 

 まあ俺も今はその流れに半ば強制的に入っているのだが、それでも未だにその理由は見えて来なかった。

 

 もうちょっとダンスが上達すれば良いんだがな。

 

 なっちゃんや他のダンス部の女子たちが撮ってくれた動画に写る自分は相変わらず不恰好で、目も当てられなかった。

 

 何事も、下手クソに楽しむ権利は無いと言っていい。

 

 本当の意味で何かを楽しむためには、それなりの上手さが必要になる。

 

 そういう意味でいくと、俺はまだ何かを楽しむというステージに立てていないだけなのかも知れない。

 

 興味や関心が持てないのは本当にせよ、いつもやろうとすらしなかったから。やらなければ分からない。


 やれば分かる事が多くある。

 

 これらはまだ完全に俺の中でしっくりとは来ていない、ただの山本(かのじょ)の受け売りだ。

 

 上手くなれば、楽しくなるのだろうか。

 

 だがそうだとしても、そこまでする理由がどこかにあるのだろうか。

 

 そんな事を一人考えている内に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


「なあ、ミナトがどっか別の世界飛んでるぞー、どこみてんだこれ」


「ああそれ、ミナトは目開きながら寝れんのよ」


「嘘教えんなトモヤス」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ