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=空間操作系能力者の無双録= <世界を相手取ったのは、時空を統べる転生覇者>  作者: 入江晃明
season1 異世界転生!知らしめる最強のロード
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人生のエピローグ








「なんなんだ!!このふざけたレポートは!」


「うるっせぇ!!それでも丹精込めて作り上げたんじゃ、ボケェ!!



いつも通りの研究室(場所)、いつも通りの教師の怒鳴り声!

聞き慣れたっつーの、聞き入れったっつーの!

前回のお説教(アドバイス)はなぁ!!



「ったくお前は毎回…何度同じことを聞けば気がすむんだ

もっと何事もキチンと、丁寧にやりなさいって言ってるでしょうが!」


「それが俺の最大限の丁寧だ

別にいいだろ?やるこたやってんだから」


「そのやることすら出来てないんだよ…

第一、どうしてレポートですら敬語の一つも使えないんだお前は」


ふん。やったところでなんの意味があんのかわからねぇ提出物(そんなもん)

出してやってるだけでありがてぇと思えってんだ

それに謙譲語?尊敬語?

んなもん使ってもらえるほど偉いのかよ、教授共(オメェら)はよぉ


「うるせぇ。俺は将来、テメェ等なんぞよりビッグになる男だ

そんな俺が、いちいち腰低くしてやってられっかってんだよ」


「今はどうなんだ?」


「あ?」


「今、何が出来てるというんだ?」



『俺は凄くなる』

そんな曖昧で不確実なものを正当化し、その自信のみで虚勢を張る

側から見ればただの阿呆だが

この男…今までの人生、そのノリだけで生きてきた!


当然、そんな男には相応の実力しかなく

到底ビッグになれる器ではない…

それどころか今は、ただ痛いだけ!



「今は…その。まだ、その時期じゃねぇっつーか」


「駄目だな、口ばっかりで何にも出来ていないじゃないか…

そんなことだろうと思ったよ」


「だから。まだそうなってないだけだって言ってるだろうが!!」


「はっきり言って、社会のために何の役にもたたない…

社会人失格。今のお前は、ただの無能だ!」


「って…テメェ…」



何も言い返せはしない

現実問題、この男も理解している…自分の無力さを


ただただデカいだけのプライド

何か一つの目標を、成し遂げる為の努力すら出来ない腑抜け

それが現実のこの男、『天理柳犁(あまりりゅうり)


社会において、まったくもって役に立つ要素のないこの男

そう、この()()()()においては






…………………



…………………………………



その後、夕暮れ時までなにをするわけでもなく

土手の上で寝っ転がり続けていた柳犁



「まったく、なんで世の中には馬鹿しかいねぇんだ。

どいつもこいつも、俺の有能性に気づかねぇで」



そうそう、どいつもこいつも無能過ぎダァ

俺のこの力量さえあれば、大抵のことはどうにでもなる…はずだ


そんな俺の本当にできる部分も見たがらねぇくせに

粗を探しては、そこだけネチネチとせめてきやがってぇ…

あーあ、やってらんねぇな



「あん?…もう夕方かよ」



くだらねぇ事に頭抱えてたら、もう夜中じゃねぇかよ。

ああ~帰ろ、帰ろ。よっこらせっと

うん、なんか腹ぁ減ったな


「…そうだな、こんな気分の時は~

コンビニで肉まんでも食いますか」



そう!気分が好かねー時には、美味いものを食うに限りますな

思いついたら即!行動するだけよ…

近くにコンビニがあって、よかったね


土手を登って直ぐ!

直ぐさま目の前…そこにあるのは


「さぁて、帰り道のノーソン♪」


<ピロピロリン>


ここは、唐揚げ食っとけと思うかもしれねぇが

俺が選ぶのは断然!肉まん一筋よ…



「すいませーん、肉まんくだ…はっ!?」



入店した柳犁の目に、真っ先に飛び込んできたのは…

真っ黒衣装、ナイフ装備の明らかな強盗!



「なっ!?こっち来るんじゃねぇ!!」



その強盗は柳犁を見つけて早々、怒鳴り声をあげて威嚇する!

一瞬即発…直ぐにでも右手で持ったナイフで、

傍に掴んだコンビニ店員を刺してしまいそうな勢いの強盗


通常、そんな状況を前にすれば誰であろうと後ずさりしたくなるもの

しかしこの男は逆に!その強盗へ突っ込んで行った



ここでよぉう…俺がこの強盗ぶっ飛ばしたら!

ここであの店員救ったら、俺は!

一躍有名人じゃねぇか!


功名心!それこそがこの男を突き動かす、たった一つの行動原理!

『目立ちたい』それだけの為にこの男は、いくらでも無謀な行動に出る!

そしてそこに、理性というリミッターはない!



「くっ…来るんじゃねぇって言ってんだ!!

いいか…もし近づこうもんなら…こいつでぶっ刺してやるぜぇぇぇぇ!!」


既に極限状態に達していた強盗は、薬で頭がいってんのかと思うほどナイフを振り回す。

素人目で見ても、明らかに()()()のだが…この天理柳犁、止まらない。



ナイフだぁ!?そんなもんに怯むと思ってんのか!!

今すぐ近づいて、蹴り一閃で一発KOだな…間違いねぇ


あり?



否、中途半端に挑発するところまで進んで歩みが止まった

格闘技どころか、スポーツ経験もないこの男には

極度の緊張に打ち勝つ(すべ)が備わっておらず…身体は痙攣し

その拒否反応を制御出来ずに、ピクリとも身体を動かせない状態に陥いった!




おかしいな?あれ?なんか体が動かないんだが

とゆうか、震えが止まらないんだが…



「なんだよおぉい、何かするたびにどいつもこいつも

邪魔が入ってきてよぉ~なめてんじゃねぇぜ!!

今度は俺がやってやる!こいつで内蔵ぶちまけてやるぞっ!!」


逆に強盗に中途半端はない!

もうこれ以上引けない時点まで来てしまっているからだ

当然…柳犁を刺し殺すことに躊躇はない!



まてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよまてよ



動けよぉぉぉ、戦えよぉぉぉぉ。ここで戦うんだろう俺はぁ!!あ。



意思とは関係なく、あまりの緊張から身体が排泄をも促した

垂れ流しになる小便…しかしそれが水溜りになる時間もなく強盗は遅いかかる!



「ぶっ殺す!!!!!」



来た!!それで倒すんだよなぁ…突っ込んで来たのを、逆に倒すんだよなぁ!

そうじゃなきゃ……お前……俺は!



いくら自分から動こうとしても…声すら出せず

ひたすらに涙と糞尿がたれ流されるだけであった



「うりゃああああああああああああ!!!!!!」



          死んじまう!!!



<<<グサッリッッッッッッ!!!!!!>>>


「っっっっでぃでぇぇぇ!!!痛ぇぇぇぇよぉぉぉぉ!!!」



強盗のナイフは、突っ立っていた柳犁の心臓部を貫いていた。間違いなく即死!



なんだよ、なんだよ…ここで活躍すりゃあヒーローなんだろ!!

それだけの楽な話なんだろ!!ただそうすりゃチヤホヤされるんだろ!!

なんでこんな事なってんだ!!!

なんで俺が刺されてんだ!!

死んじまったらなんにもなんねぇだろうが!!!



「イヒヒヒヒッヒヒヒ、、、やった!やったぞ!!

こうなりゃ誰も文句を言えやしねぇ!!俺だ!!俺がやったんだ!!」



ああ…痛ぇ…痛くねぇ…もう何も感じてやいねぇ…

ホントに死ぬんだな…こりゃ。



死の覚悟など知らなかった単純な男に降り注ぐのは

ただ『死』という非常なまでの現実だけであった



…結局なんにも出来なかった人生だな

もう全部、あの教授どもの言う通りじゃねーか…



後悔の意味もない!この柳犁の考える通り

死とは全ての意味を忘却する!


あーあ



       



      


      



       全部楽してどうにか何ねぇかな









「その願い、聞き入れましょう」














……………………………………………………………………



………………………………………………………………………………………………



……………………………………………………………………………………………………………………



…………………………………………………………………………………………………………………………………



なんだ?意識があるぜ…何だよ夢か~って

夢とはいえ自分が死んだとなるとなんか気色悪いな…

はーあ、スマホ、スマホっと…今何時?



「あっあー、もしもし?そろそろ目が覚めたかな?」


…声?

んだよ…飲み過ぎて駅で寝てたのか俺?また駅員さんに起こされちまったじゃねえか…

しかも記憶がぶっ飛んでるみてぇだ…

こんな派手な装飾された場所に見覚えなんて



「シャキッとせんかい!!こっちは暇じゃねんだよ!!」


眠気覚ましに顔面へ蹴りを入れられた柳犁、これは痛い



「痛っ!?なんだ!!急に蹴んじゃねぇ!!………ってなんじゃここ!!」



はぁ!?ここどこだよ!!何つーか煌びやかで…神殿みたいな…

つーかいや!なんでこんなとこ居るんだよ!!



「おーう、目ぇ覚めたか。どうかな、死んだ気分は?」



こいつが蹴りやがったのか!…

てかあいつも、この雰囲気に違わねぇーてゆーか…絵に描いたような女神様…

それに死んだって………まさか!?


直感で理解した!

この状況を…何よりも知っていた柳犁だったから!



「さっそくだけどね、手っ取り早く済ませたいから静かに聞いてく…」


「まさか異世界転生ってやつじゃあないんですか、これは!!!」


「なっふあ…!?」



この女神にとっては機密事項以外の何物でもない事実を

ただ死んで来ただけの人間が言い当てたのだ、動揺もする

そう、異世界転生!

ありがち過ぎはするが…それでも、柳犁は待ち望んでいたのだ!



そうだよ、そうだよ。この状況、間違いねぇ!!

異世界転生しかあり得ねぇ、そうゆう状況だ!!


これで俺は、ついに!

チート無双の幕開けだぁ…

なんだよー、言葉になんねぇ喜びってなこーゆーことか!!

あー!!生きてて良かったー…死んでるけど



「しかもよぉ!勿論チート能力付き何だろうな!

それで世界を救えっていうんだな、女神さんよぉ」


異世界転生にはチート!無双!楽!

おおよそ教育という教育を理解できていない、この天理柳犁にもこれだけは分かる…

むしろこれだけしか考えて生きていなかったのだから!!



「……何故それを知っているのか理解に困るが…

話が分かってるのなら早い。その通りだ、今から異世界へ転生してもらう。

無論、誰も敵いやしないレベルのチート能力を付けてな!」



とうとう俺に運命巡ってきたんじゃないですか!!

俺の長年の夢だ…あんな現実社会で生きるなんてことよか

よっぽどたのしみに満ち満ちた異世界ライフ!ハーレム!さいっこうじゃねえか!!



「じゃ早速、初陣に出てもらおうか。なあに、無双必須の心配無用!

安心と安全のチート能力、保証書付きだ!受け取れ!!」



ああ!これだよ…このはちきれんばかりの神々しい光

流れ込む力パウワー!!これから真の、俺の人生が始まるんだ…



「この能力を手に入れた瞬間!即座に概要を理解するだろう!そしてその能力を使って成すべきことは1つ!その圧倒的な力を持って魔王を打ち倒し、世界を救うのです!!」


「分かってるさ!やってやるさ!」


「任せましたよ…世界の命運を………」





                         



                          (笑)
















次回 俺最強!!

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