突然の変化
廊下で同級生たちが騒いでいる。
『虫でもいるのかな』
そんな呑気な事を考えていた。
けれど予想もしていなかったことが起きた。
私の好きなマモルくんとYちゃんが一つの教室に2人だけでいるのだ。皆から告白しろ!のコールが止まない。
マモルくんは学年の人気者だった。みんなは面白半分でしていたのだろう。
私は焦った。きっとこのまま2人は上手くいって付き合うのだろう…
そう思っていた。
けれど結果は意外な方向へと傾いた。
何故だかYちゃんが泣き出したのだ。
すると今まで煩かったくらいの告白コールが止み、誰もが罪悪感を持っていた。
「怖いっ」
Yちゃんはそう言いながら仲のいい女の子と何処かへ消えた。
私には理解出来なかった。何が怖いのか。どうしてこんなチャンスなかなか無いのにと嫉妬心まで抱いていた。
今考えるとYちゃんは純粋だったのだろうと思う。
告白もできずに皆に茶化され好きなYちゃんには怖いと言われたマモルくん。相当ショックを受けたみたいだった。
私も何を言っていいのかわからず前よりも話す数が減った。
でも好きだという気持ちに何の変化もなかった。それ以上にYちゃんと上手くいかなかった事からもっと仲良くなりたいという気持ちすら抱いていた。
私はズルかった。