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作者: 榛樹

2016年6月18日修正

僕と鹿那が出会って→僕と美波ちゃんが出会って

【↑補足】鹿那とは美波の設定変更前の名前です

初めて僕が彼女と会ったのは小学5年生の夏休みに見た夢の中だ。辺り一面真っ白な空間に立っていた彼女は正に僕の理想的な女の子だった。

そんな僕の理想的な女の子は初めて会った僕にこう言った。

「はじめまして八坂くん、わたしは津飼美波って言います。今から少し君のお話を聞かせて貰えないかな?」

僕は少し戸惑ったがどうせ夢だ、と思い頷いた。

「ありがとう」

そう言って微笑んだ美波ちゃんに僕はかなり、否、これ以上無い位見惚れてしまった。真っ赤になりそうな顔を必死に隠そうと照れ隠しの意味も含めて僕はこう言った。

「なにを話せばいいの?」

するとなにかを考えて美波ちゃんが「じゃあ学校の事でも教えてくれる?」と言ったので僕はこう答えた。

「学校はあまり好きじゃない、先生は怖いし友達もいないから」

そこから少し気不味い雰囲気になったがすぐに美波ちゃんが「そっかじゃあ別の話をしよう」と言ってくれたので気不味い雰囲気が少し元に戻った。

「じゃあこんどは……八坂くんの好きな事でも聞こうかな」

僕の好きな事?果たして考えてもなにが好きなのか自分でもよくわからない。

今度は気不味い雰囲気にならないためにはどう応えるのが最善かを一番に考えてしまうのはやはり僕は臆病なのだろう。

しばらく考えると僕は"どう応えるのが最善か?"を考えるのを諦めて素直に「一人でいる事」を気不味くなるのを覚悟して言った。すると美波ちゃんは「そっかじゃあ、わたしと友達になろうよ!そうすればわたしといる時間が楽しくなるかもしれないし」

僕はこれは夢なのだろうと思いつつ美波ちゃんと友達になる事を頷いて了承した。

その直後、目の前にいる美波ちゃんがだんだん真っ白な周りの色と同化しだした。

「そろそろお別れの時間みたいだね。また会おうね、

八坂くん」

こうして僕と美波ちゃんは夢の中で出会った。



◇◆◇◆◇


僕と美波ちゃんが出会って1年半以上の時がたった、美波ちゃんはあれから1ヶ月に1度程のペースで僕の夢に出てきた。

2回目に会った時は驚いたが3回目以降は(あぁ、また美波ちゃんの夢だ……)程度の考えの思いと同時に序所に恋愛感情を抱く様になった。

そして現実の僕は今日から地元の中学校に入学する。今、丁度アニメではよくある学校の入学式での校長先生から長~い話がようやく終わったところだ。

『次は生徒自治委員会会長からの話です』

校長先生が話を終えて体育館の舞台を降りて[校長先生]と書かれたプレートの前まできたタイミングで入学式の進行係りを担当している(と思われる)女子生徒が次のプログラムを読み上げる。

『生徒自治委員会会長、飛山鹿那さんお願いします』

係りの人がそう言って1人の女子生徒が舞台の前まで出てくる。その女子生徒を見て僕はこれ以上無い位驚いた、その長い黒髪に蒼い瞳は紛れもなく僕が毎月夢で会っていた美波ちゃんだった。



入学式が終わり、入学式の為に短縮された授業が全て終わると僕は飛山先輩の教室があるであろう3階に向かった。3階に着くと3年生のクラスは全部で5クラスあるらしくどのクラスかわからなかった為3年生の先輩に飛山先輩のクラスを聞き教えてもらった結果、3年1組であると言う事がわかった。僕はクラスと場所を教えてくれた先輩にお礼を言い、早歩きで3年1組の教室に向かった。



「あの……鹿那先輩……ですか?もしかしたら会った事ってありますか?」

僕が年下だと思っていたのはどうやら間違いだった様なので先輩と言ったが、容姿は間違い無く僕が会っていた"美波ちゃん"だった。

「……そうだが……君は?1年生という事は初対面の筈だが?」

口調は全く違うだが声の高さや質は美波ちゃんで間違い無いだろう。

「僕は1年6組の八坂久瓜です」

「それで?わたしに何か用かな?」

鹿那先輩は僕になにかようがあるのかを聞いたので理由を考えてなかったので少し考えた後、「……少し知り合いに似ていたので」と、答え事情を説明する。

すると鹿那先輩は「なるほどね~、それで君はわたしの事をその津飼美波って娘だと思ったわけだ~」と納得した様に言った後、「でも夢で見ただけで判断するのは早計な考えだと思うな、もうちょっとわたしの様子を見てからでも良かったんじゃないの?」

「すみません、でもあの美波ちゃんなんじゃないかって思うと居ても立っても居られなくって……」

それから僕は自分の好きな美波ちゃんの話しをたくさんしてしまった。目の前にいる飛山鹿那先輩にとっては迷惑だっただろう、なのでやっぱり一方的に話し続けた事に対しては謝っておくべきたと考えた。

「鹿那先輩本当にすみませんでした……他人の好きな相手の話しを続けた事も含めて」

僕が謝ると鹿那先輩は良いよといった後「別に嫌いじゃないし」と答えた。その言葉には一瞬何の事かわからなかったが、僕が鹿那先輩の事をよく知らない事もあり[鹿那先輩は一方的に色恋沙汰の話しを聞くのは嫌いじゃない]という思考になった。



◇◆◇◆◇



鹿那先輩に美波ちゃんの事を話してから数カ月が経った。あれから何度か鹿那先輩と話す機会が何度かあった、そして話しをしているとやはり似ているのだ。顔もそうだが声質や普段話している声の音程の高さなどが、それだけであれば大体の場合同一人物に見えるのだが一つ鹿那先輩と美波ちゃんとでは同一人物と思えない違いがあるのだ。


美波ちゃんと鹿那先輩の違いとは瞳の色彩だ、

美波ちゃんの瞳の色彩は綺麗で神秘的な金色だった。

対して鹿那先輩は緋色の右眼で左眼は常に閉じている為確認は出来ないが恐らく金色ではないと思う。

もう一度聞きたいが一度否定されているので聞き辛いし下手に聞くと鹿那先輩との関係悪化に繋がりかねないのでそういった事は聞くのを避けている。

そんなある日の放課後、僕は鹿那先輩に学校の屋上に呼び出された。"なんの用事なんだろう?"と僕は疑問に思いつつも屋上に向かった。



◇◆◇◆◇



屋上に着くと鹿那先輩は僕が上ってきた階段のある出入り口の5メートル程先に後ろを向いて僕を待っていた。そして僕が声を掛けようと2歩程近づくと鹿那先輩はゆっくりと振り返り僕に向かって、「つ、付き合ってほしい」と告げた。僕は一瞬なんの事か理解出来なかったが直ぐに"鹿那先輩に告白された"事に気付き、即答は出来なかったが少し考えて、「はい、わかりました」と返した。

後になって考えるともう少し良い返事が出来たのではないかと少し後悔もしたが、いきなり過ぎてそこまで考えれなかった。

そんな訳で僕は鹿那先輩と恋人同士になった。



◇◆◇◆◇


僕と鹿那先輩が恋人関係になってから1カ月がたった、その1カ月は僕にとって今までで最も幸せな1カ月だった。そんな幸せの中にいた僕はある日鹿那先輩の家に呼ばれた。

鹿那先輩の家に行くと一軒家の玄関の前で出迎えてくれてそのまま鹿那先輩の家に入った。家に入ると鹿那先輩はリビングに案内して紅茶を出してくれた。そこで鹿那先輩と色々な話しをした。そして僕が帰ろうとすると鹿那先輩は最後にお願いがあるから聞いてほしいと言われた。僕が「なに?」と聞くために鹿那先輩に近づくと……













ズサッと僕の左胸で鈍い音がした。

痛みで一瞬何をされたか分からなかったが少しの間の後、朦朧とする意識の中僕は理解した。僕は鹿那先輩に刃物で刺されたのだと……



BAD END

読んで頂きありがとうございました。

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