ヲワリノハジマリ
どこまでも広がる水平線。青い空を浮かぶ雲。それを見渡した彼女は言う。
「こんなモノが地球なの?」
太陽フレアにより「クニ」は交流手段を無くし、孤立していった。
現在ニッポンでは宇宙への移住計画はかなり進んでいて、現在人口の約8割は宇宙で暮らしている。
残りの2割は、地球での生活を望んだ人達と、軍人のみ。
しかし、ほとんどのヒトは他惑星への移住を望んだ。
地球はもう既に"平和"では無くなっていたのだから···
皇紀 3862年 秋 ニッポン ~空~
空を戦闘機が舞っている。
風景が見える。あとわかることは自分が操縦棹を握っているという事だけ。
濃緑色の「零」が先頭を飛ぶ。 後に続く行列も全て戦闘機だ。
その中に俺は居た。
「やれやれだなぁ···未確認機撃墜任務ですかぁ···」
俺は眠そうに呟いた。呟こうと思って言った訳でもない。何故か口から出たのだ。
「愚痴は無線を切ってから言えよ。」
同列機が不機嫌そうにそれに答える。
「スクランブルだからってそんなに不機嫌にならなくてもいいじゃんかぁ」
また勝手に俺は答えた。返事は返ってこない。
『この隊での俺の役割は索敵のみだ。
俺はレーダーを搭載した俺専用の「零」を得意気に思っていた。』
謎の言葉が脳裏を過る。
俺はそのレーダーを見た。
その時、機械音が鳴り響く。レーダーに反応が出た。敵戦闘機だ。
「見えました! 敵は13···いや、16です!」
すぐさま無線を付け、勝手に口に出す。
『しかし、その言葉が僚機に届く事はなかった。 味方のレーダーが消えた。
俺は目を疑い、辺りを見渡した。
一機、二機と爆散して行く僚機。 その間をすり抜ける敵機。
隊列など既に意味をなさない。 また一機火を吹いた。
その僚機はもまた、爆散して行く。 俺は唖然とした。
「嘘···だろ···?」
そして、そこにもう自分しか残っていない事に気付く。
必死で俺は敵機に喰らい付こうとした。 武装は20mm機銃のみだ。
効かない事も承知の上での攻撃だった。
「当たれよっ!!」
叫びながら撃つ、撃つ、撃つ。 届かない。
敵機は隊列を組んだまま俺達の来た方へと向かっていく。
後方の海には俺達を載せていた空母が居る。
それまで落とされてしまうともう終わりだ。俺は必死で後を追った。 』
脳内にナレーション付きのムービーが流れた。俺は後ろに空母があることは知らない。更にはこの「俺」の言う事も理解出来なかった。早く逃げれば良いのに。
「俺」は自分の考えを無視して、敵機を追いかけていった。
ここまで読んでいただいてありがとうございますm(__)m
僕の初小説なので至らない点が多いと思います(^_^;)
ちょこちょこと更新していこうと思っていますが、どうなるか(笑)
内容についてですが、「世界大戦時の戦闘機でSFを」というのを基本にしています。
最初の少女だったり「俺」だったりまだまだキャラが一人立ちしておりませんので笑
あたたかーい目で見てくれればと思います(-_-;)