凪の真実
「確かにお前の言うとおり、お前と同じ世界の人間だ。
有咲が小学生の時には学校で教諭をやっていたのは事実だ。
そのあと、普通のサラリーマンをしていた。
サラリーマンになってからは、お前とは一度も会っていないんだよな?
だから、こうして会えたことにむしろ感謝しなきゃいけないかもな。
まあ、それは置いといて。ある仕事の帰りに、古びたメリーゴーランドを見つけたんだ。そこにいた受付のおじさんとつい話し込んでいて、ふと眠気に誘われて、自分の家に帰ったのかと思って、次目を覚ましたら、学校教諭やっているし、お前が小学生だし…とりあえず驚いたよ。おまけに母さんは生きてるし、親父も生きてるし。夢かと思ったよ。」
話を聞いて驚いた。メリーゴーランドで話したおじさんが最後に何を言っていたか聞き取れたか聞いてみたが、やはり聞き取れなかったらしい。
落胆していると、
(やあ。有咲・凪、何落ち込んでいるんだい?)
貴以の声がした。
「貴以?」
二人そろって、貴以の名前を叫ぶ。
「貴以のことを知っているのか?」
「お兄ちゃんこそ、なんで貴以のことを知っているのよ。」
(二人とも落ち着いて。)
「落ち着けるか!」
二人で怒鳴ると、貴以は笑い出した。
(気の合う兄弟だね。
とりあえず、お互いの住む世界はやはり同じだったんだね。
だったら話が早い。君たち兄弟はここから脱出してもらうよ。)
「その前にここはどこなんだ、それぐらい教えてもらってもいいだろ?」
(過去あるいは過去ではないもう一つの世界。
まあ、言い換えてみれば元いた世界ではないことは確かだよ。
だから、過去に起きた出来事が実際に起きる場合もあるし、起きない場合もあるってことさ。だけど、実際に起きた場合はより現実世界に戻りやすくなる。
逆に起きなかった場合はどんどん次元が歪む。だから、より戻りづらくなるってことさ。人の感情によっても出来事が発生するかしないかという可能性もある。
少し話しすぎてしまったね。じゃあ、また何かあったら現れるよ。では幸運を)




