表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

6 恋人芝居

「サムスン

恋人芝居しよう」


顔見てりゃ

5分に1度は

カチンと来るし


男と女なんて間柄

太陽が西から

昇ったって

あんたと俺には

縁がない


だけど

角突き合わせる

相手としては

うってつけ


ストレス発散

したくなったら

サンドバッグか

キム・サムスンだ


あんた以上の

相手なんか

男にだって

そうそういない


とはいえ

こんな胸の内

バカ正直に

明かそうもんなら

金輪際

口利かないのは

目に見えてるし


今さら

友達なんて

年じゃなし


お互い大人だ

ここはひとつ

スマートに

行きたいところ


「お袋の

性懲りもない

見合い攻勢に

いいかげん

うんざりの俺


脈もないのに

休日たんびに

見合い三昧で

懲りないあんた


いかにも

ベストコンビだろ?

礼は弾むよ」


大義名分としちゃ

悪くない


だけど

あんたのことだから

二つ返事で

のってくるとも

思えなかった


「それって詐欺でしょ?

私に片棒かつげって?

悪いけど

そんなに暇じゃ

ないのよね」


案の定

にべもなかった

のみならず


「恋人芝居?

世間知らずの

お気楽息子が

思いつきそうな

ちゃちな たわ言


結婚なんか

まだしないって

きっぱり言えば

すむものを


母親ひとり

説得できない

マザコンに

レストラン経営が

聞いて呆れる」


間髪いれずに

非難ごうごう 


しかも100%正論で

第1ラウンドは

即ゴング


でも1週間も

たたないうちに

突然降って湧いた

第2ラウンド


あんたの方から

折れてきた


もじもじするには

及ばない


一方的な

金の無心なら

いざ知らず


取引に

対価の請求は

世の常識


芝居さえ

する気があるなら

気後れ無用


500万?

二言はないな?


あんたにとっちゃ

生きるか死ぬかの

額らしい

ひきつった

その顔見てりゃ

バカでもわかる


今に見てろよ

芝居の契約

あんたに「うん」と

言わせてやるって


気ばかり焦って

思案に暮れてた

次の一手


人の不幸に

つけこむつもりは

さらさらないが

敵の方から

折れてくるなんて幸運は 

そうそう滅多に

あるもんじゃなし


棚から落ちたボタモチに

何で落ちたと

訊いてみるほど

野暮でもないが


勝手に落ちたボタモチを

食べもしないで

放っておくほど

お人好しにも

生まれちゃいない


あんたの不幸の理由にも

500万の使い道にも

興味はない


せっぱつまった

あんたの倫理観が

イカれてくれてるうちが花


きっかり500万

その場で即刻

振り込んだ


無造作に

パソコン叩いて

送金完了


-あんたの気が変わる前に-

それしか

頭になかったから


それからあんたを

引きずって行って

昼メシどきの

スタッフたちに

爆弾発言

予告もなしに

恋人宣言


レストランじゅうが

一瞬で

証人と化した


こうして

500万 用立てた

見返りに


あんたは

俺の彼女になった

そして俺は堂々と

あんたの彼氏に

おさまった


いやちがう

あんたの彼氏という権利を

俺が500万で

買っただけ


俺が失敗したオファー

勝手に

蒸し返して

きたのはあんた

無理強いなんか

しちゃいない


長いこと

この事実だけが

俺にとっては唯一の

免罪符だったはずだけど


どんなへ理屈

こねたところで

俺がしたのは

何のことはない


500万もの

“ヒモつき”の

高飛車で

姑息なナンパ


ご丁寧にも

世にも奇妙な

契約書まで

取り交わして



 <恋愛契約書>


1ヒョン・ジノンと

 キム・サムスンは

 2005年12月31日まで

 恋愛しているふりをする


2ヒョン・ジノンは

 キム・サムスンに

 スキンシップ厳禁

 但し やむをえぬ場合は

 双方合意の上とする


3二股をかけてはならない


4キム・サムスンは

 ヒョン・ジノンが

 嫌がる質問をしない


5ヒョン・ジノンは

 キム・サムスンの人格を

 尊重する


6恋愛のふりはしても

 恋愛はしない 絶対に



     以上



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ