始まり
…筈だった。
雅人の目の前に迫ったトラックは【時が止まった】かのように停止している。
パンパカパーン
[こんにちは、雅人君]
圧倒的な存在感を持った【何か】が俺の前にいる、しかし俺はその存在を無視した。
[あれ~、ノリが悪いな~]
(うるさい+うざいな)
[まあまあ、うるさいとか、うざいとか、思わない~]
(何故だ、何故、俺の心を読めるんだ!?)
確かに彼の顔からは考えは読み取れない、読み取るのが、【人】だったら。
[こんにちは、雅人君、君の一番分かりやすい言い方をすると僕は【神】と言った所かな]
「へえ、【神】が俺に何の用かな」
と雅人は震える心を隠し自称【神】に話かけた。
[人間は一度だけ奇跡を起こせるでも、君はその奇跡のやり方を知らない、奇跡のやり方は愛情から学ぶしか無いからね]
「けっ!あんたは俺に何がしたいんだ」
[イヤイヤ、奇跡を起こさずに死ぬ人間が居ては困るからね、]
「で?」
[イヤイヤ少々、異世界へ行って貰おうかと]
「はっ?」
今までふざけていた声が本気に変わる。
《今までの人生に満足したか?》
「答えはNoだ!」
『神』は満足したように、
[それでは、異世界に行ってらっしゃい~]