第六章『 』
霧の深い朝方の森の中、
豚の『獣人』の兵であるホデッィは逃げていた
逃げなくては
あの『悪魔』から逃げなくては
仲間たちはすでにあの悪魔によって殺されてしまった
自分だけでも生き延びてなんとかして仲間たちに伝えなくてはならない
だから逃げなくてはならない
その時、走っていたホデッィは木の根に足を引っ掛けてしまい転倒した
ホデッィは慌てて起き上がり再び走ろうとする
しかし、その後ろからサクサクと草を踏む軽い足音が鳴った
その音は歩いている
しかし、彼が全力で走っていたが今、彼のすぐ後ろに『悪魔』がいるということは距離を離すことができなかったことを意味していた
ホデッィ「……はっ…はっ…はっ」
ホデッィの息が浅くなる
振り向かなくても背後から来る強い威圧が『悪魔』であることを証明している
信じられず理解したくない
それは絶望であった
ホデッィ「なんでぇ…っ!…何でなんだよぉっ!」
ホデッィは地面に這いつくばりながら若干半狂乱になり叫んだ
それは心からの絶叫だった
ホデッィ「俺が何をしたって言うんだぁ!?
たかが…女子供20人ポッチを犯して食い殺しただけじゃねえかよぉ!!」
彼の言葉に後ろの『悪魔』は何も答えない
ただ サクサクという草を踏む足音だけが近づいてくる
ホデッィ「俺以外の奴だってそうだ!!
ダムェだってザフスだって生きたまま皮を剥いだり老人の指先からゆっくり食べるのが好きなだけだったんだ!!
…なのに、何でなんだよぉお!!」
やがて 足音はホデッィの真横で止まった
そして『悪魔』は彼の顔を覗き込む
一つにまとめた若草と枯れ草を混ぜたような色褪せた茶髪と緑髪の三つ編みを垂らしたその『悪魔』は笑っていた
霧深い森の中ホデッィの叫び声だけが響いた




