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「ああー、三日ぶりのアリアだ……癒されるー」
「……」
帰って来て早々に蛇の様にアリアの身体に手足を巻き付けて匂いを嗅ぐレイン。
率直に言うと気色が悪い。
そのまま身体をまさぐり始めるその手をアリアは叩き落とすがレインは気に留めずに続ける。
アリアの抵抗を物ともせず、行為は進み、今日も今日とてレインに抱かれる夜が始まった。
ゆさゆさとレインが動くたびに体が揺れる。
レインの事を視界に入れたくないのと、受肉したことにより人間と同じく感覚もあるアリアはその身を襲う快楽をきつく目を閉じて逃がそうとする。
そんなアリアの様子を見たレインは顔を歪めた。
「アリア、目を閉じないで僕を見て。僕だけを見て、お願い」
レインの懇願に何の反応も示さず、アリアは歯を食いしばりただ全てが終わるのをじっと待っている。
レインは動きを止め、自分の下に組み敷いたアリアを見下ろした。
「……僕を見ないのならそんな目はもういらないのかな、いっそのこと抉り出して食べてしまおうか?いえ、それだとアリアの望むとおりになってしまうか……じゃあ、瞼を斬りおとしてしまおう、そうすれば目を閉じれないから貴女は僕を見ざるを得なくなる」
アリアの頬を指でなぞり、うっとりと呟くレインにアリアは心底うんざりした。
例え、瞼が斬り落とされようと意識しなければ見えないのと同じだ。
どうなろうとアリアが徹頭徹尾レインを無視するのは変わらない。
なんの反応も返さないアリアにレインは溜息を吐き、行為を再開させる。
いつものように声を殺し、ただ人形のように寝転がっていたアリアだったが、不意にフーイの叫びとリョクの言葉が脳裏に蘇った。
『私だって愛されたかった!!!』
〔フーイはね、アリアの器になるはずだった人間に受肉したからもしかしたら自分にもレインに振り向いて貰う余地があるかもしれないって考えてるんだぁ〕
湧きあがる感情のままにフッと笑った。
「アリア……アリア、アリア」
ただひたすらに名を呼びながらアリアを抱くレイン。
アリアはそっとレインの首へ両腕を回して引き寄せると、初めて自分から口付けを行った。
強要された訳ではなく、初めて自分の意思でアリアが口付けをしてくれた。
あまりの衝撃に最初は何が起きたのか理解できなかったレインだったが、やがて顔を真っ赤に染めていく。
「あ、ああああああありあ?!」
「……何よ、私からしたら駄目なの?」
「そんなことない!!」
アリアの言葉をレインが腹の底から力強く否定する。
「ただ、びっくりして…………ああ、夢みたいだ……!」
動きを止め、ぽうっと見つめてくるレインを引き倒し、その耳元でアリアが囁く。
「それで?もう続きはしてくれないのかしら?」
「アリアが僕を受け入れてくれた……!」
感極まったレインはアリアを力いっぱい抱き締める。
「任せて下さいアリア!今まで以上に優しく、うんっと抱いて差し上げますから!!」
「ええ、お願いね」
アリアはレインに極上の笑みを向けた。




