表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/50

開始8

錬金部署室を出、そのまま外に出る。


「どこに行くの」


「カウンセリングルームだよ。君とゆっくり話ができるからね」


「お前、いつもどこにいるのよ」


「写本部署室……別館の一階だよ」


「別館? 寮の部屋があるところね」


「そうだね、君が過ごすカルネ―ル寮の下だ。部屋の住み心地はどうだい? 何か不満があれば、ある程度の改造は許されているはずだけれど」


「植物が足りないわ! それに、寝る場所はなんだか少し硬いし」


「なるほど。欲しい植物があれば、注文や購入はできると思うが……」


「人間が付けた植物の名前なんて、私が知っている訳がないでしょう?」


言われて、リコリスは納得した。リコリスが知っている植物の名称は大抵、人間が名付けたものだからだ。


「そうか、君はあまり人間とかかわっていないのだものね。……そうだな、人間が付けた植物の名前がわかる本、図鑑なども持っていこうか」


「図鑑?」


「写真や絵、文章で対象の特徴を表した本だよ。見た方が早い」


と言うことで、まずは図書館へ向かった。「ここでは静かにね」とネディネーネに声を掛け、リコリスは案内する。図書館では本を選ぶ構成員が数名。


「植物の分類はこのあたりだ。何か、興味が向いた本を持っていくと良い」


「これ、なんて書いてあるの」


どうやら、早速本に興味を向けた様子だった。一冊本を抜き出し、リコリスに見せる。


「これは……『魔女の薬草レシピ』。文字についても教える必要があるかな」


「お前が読みなさいよ。私がわざわざ覚える必要はないわ」


リコリスが思案するも、ネディネーネはぷい、と顔をそむけた。まあ必要になったら何かアクションをするだろう、とリコリスは考える。他の怪異も特に文字に苦労している様子は見ていないので、どうにでもなるのだ。


「読み聞かせか。まあ、いいけれど。僕は署長としての仕事と講師の仕事もやっているから、スケジュール調整をしなければならないか。……ところで、気になる本は集めたかね」


「今日はこのくらいでいいわ。カウンセリングルームってのはどこにあるの」


「ここの少し先だよ。本を借りる手続きをするから、少し待ちたまえ」


ネディネーネが選んだ本をカウンターへ持って行き、手続きをする。そこで軽く司書をしている構成員と話をして、ネディネーネの元へ戻ってきた。


「何を話していたの」


「予定の調整だよ。少なくとも今日は君と過ごせるように手配した」


そしてカウンセリングルームに向かう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ