表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/50

開始7

どうやら、彼女は錬金部署に所属する事になったらしい。

噂によると、作成した魔法薬の効果が素晴らしかったからだとか。


「実際どうですか、師匠(せんせい)


リコリスは錬金部署署長のフォルトゥナに声をかけた。妖精の世界から出たばかりの自身に人間の世界を教えてくれたので、そう呼んでいる。


「ん? そりゃあもう、なんかやばい感じでよかったよー」


「へぇ?」


「彼女、魔法薬に生命魔法を込めるっぽくて。特に回復薬とかいいよ」


「それは連合としても助かるんじゃないかな。まあ、僕の部署とは少し無縁だけれど」


「そうだねー。主には浄化部署と処刑部署に回るね」


「何か問題があれば、教えてくれると助かるよ」


「おっけー。君にしては割と気にしてるね?」


「まあ、僕が連れてきた個体だからね。多少の面倒くらいは見るさ」


「ふーん? じゃあさ、早速言いたい事があるんだけど」


「……何かな」


至極真面目な声色になったフォルトゥナに、何かあったのだろうかとリコリスは警戒した。


「彼女、殻に閉じこもってる感じでさ。誰とも話さないんだよ。君がプロフィールを聞き出せたってことは、君と会話ぐらいはしてくれたってことでしょ?」


「ああ、そうなるね。代わりに僕のプロフィールを根掘り葉掘り聞かれたが。……ネディネーネ君は、あまり喋らない方だったかい?」


「さぁ。まあ、とにかく。なんかコミュニケーション取ってくれる?」


「分かった。なんとかしてみるよ」


と言うことで、リコリスは錬金部署に向かった。フォルトゥナから許可は貰っているので入れる。錬金部署室に入ると、一瞬他の構成員に見られた。


「ちょっとお前! 一体どこに居たのよ!」


それからすぐにネディネーネが声を上げた。


「……おや。思いの外、元気そうだね」


「『おや』じゃないのよ! 焦げ臭い人間は居るし、金属臭い妖精が居るしで何なのよ! まあ、もふもふな悪魔が居るのは悪くないわ」


「焦げ臭い、ね。彼女のことは放っておいてあげてくれ。……ところで、誰とも話さないと聞いたのだが、どうしたんだい?」


「ど、どうだって良いでしょう! 私の事なんて!」


「良くないから聞いているのだよ。話しにくいのかい?」


「そ、そんなことないけれど……」


「なるほど、緊張してしまうのだね。長らく森で1人で過ごしていただろうし、仕方ない話だ。そうだな……しばらく、僕と話をしよう」


「お前と?」


「そう。そうやって、魔法連合に慣れてくれると良い」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ