第8話 助手
「そんな存在会えるわけが」と言いながら考えた。嘘はどこかで話がおかしくなりやすい。ならばここで話すのも信用ではないか?嘘を言う事で信頼を得れるか?と思い話すことにした
「正直に言うと声だけ聴きました。この世界を楽しむようにと。魔法も使える様にすると」
「か、神様と話したのか?それはごい事……そうではなく魔法を使えると知っていたのか?」
「それに関しては微妙だったのです。母に聞くと魔法を使える人は生まれながらに魔法の使い方が分かると聞きました。僕は使い方を何も知らずに生まれました」
「そういうことか。それで研究をしたら使えるかも、ということか」
「はい」
「顔を見たら凄く楽しそうでな。これは何かあるなと思っていたぞ」
「恥ずかしいです」
「いや男で魔法を使えるんだ。もし儂でこの年でも喜ぶぞ」
ソマリ様はやはり優しい人だ。信用しよう。
「では先生を貸していただきますね」
「そうだな。実際は逆だがな」
「逆?」
「どう考えても君が先生で教師役が観察対象だろ?身分は私の親戚予定と伝えておく。今度姪も連れて遊びに行くよ。お見合いだな」ソマリは笑っている。
「正直ソマリ様と親戚になるのは惹かれてます」
「儂より姪に惚れてくれ」
皆で笑った。
数日後、家に先生が来た。
「ソマリ子爵からの命令で魔法を教えに来た。あっ、ロ、ローズ様ではないですか?と言う事はローズ様のご子息が私の弟子となるのですか?」
「こんにちは。ご存じの様だけどローズよ。こちらが夫のアイスバーグ。こちらが長男のアルバ。そして弟子ではなく助手となる……まだ名前なかった。この子3歳よ。天才なのよ」
「名乗り忘れて失礼しました。地属性のアウラです。ローズ様のお噂は……」
「ローズでいいわよ。あなた地属性なのに名前は風系なのね」
「お恥ずかしながら、母が風属性でして……」
「なるほど」
「あのローズ様のご子息であったとしても教える以上は厳しく行きます!我が家の仕来りで上下関係は厳しくするように教わっておりますから」
「そう。分かったけど相手は3歳なのは考慮してね」
「畏まりました」
その後直ぐ、先生と二人で勉強会試だ。アウラが
「何が知りたい?」と聞いてきたので
「魔法の発動が見たいです」と言うと、
小さな山を作ってくれた。
「あの塹壕掘ったり壁を作ったりは?」
「お前な?これでも私は戦功により騎士爵位を頂いたのだ。その私が簡単にできないものをずいぶん簡単に言う。やれるものならやってみろ。男のお前には無理だろ」
「そうですね。先生にはお見せしておきます。土の精霊さん右手の前に塹壕を掘って。次は右手の前に壁を作って。出来ましたよ」
「そ、そんな事あり得ない。でも目の前で……。お前何か魔法を使ったな」
「はい。つちじゃなくて地属性魔法?を」