第7話 貴族は嫌
子爵と母で話し合い、やはり男で魔法が使えるのは普通ではない事、知られると命を狙われるか、誘拐の可能性が高いと。
「どちらも嫌ですね」と言うと子爵が
「一番いいのは儂の養子……いや待て。儂の姪が今同じくらいの年齢だ。とりあえず婚約とかどうかな?」
「それなら貴族に成らずに済みますか?あと、私と婚約するなどその子が可哀そうでは?」と言うと
「まあ貴族には成らないな。多分君との結婚なら悪くない話しだと思うから今儂が提案したのだし」
「あのね。ママはねまだ婚約とか早いと思うのよ。でもね、子爵との繋がりはあなたを助けると思うわ。それに結婚しても近くだからすぐに会えるし」何か最後は小声だったが母も賛成の様だ。
「前向きに検討させていただきます」というと
「それって考える気ない返事では?とりあえず難しく考えずに今は約束だけで将来本格的に決めたらいい。君の母親も賛成の様だし、多分今しかこんな機会ないから決めてしまおう、な」
「わ、分かりました。仮にですよ。おかあさ……ママも良いですか?ママが良ければお受けします」
「仮にならいいのではないかしら?」
「ではよろしくお願いいたしますソマリ様」
「叔父さんとは呼んではくれぬか?」
「それは時期尚早かと」
「なあ、もっと気楽に話さないか?」
「貴族相手に難しい事を仰いますね」
「残念だな」
「でも私達も親戚になるかもしれないのね」
「そうだな。楽しみだ」
本人以外の頭の中では決定してるみたいだ。まだ結婚とか早すぎるよ~!
「私の部下の魔法使いを一人後で送る。基本そいつが魔法を研究してる事にしてその手伝いをしていると誤魔化しても良いかな?」
「そこまでしていただいてよろしいのですか?」
「自領の魔女?魔男?を守るのも貴族の……」
「あの!魔男ではなく魔法使いにしませんか?性別関係ありませんし」
「そうだな。嘘は言っていないし良いな。魔法使いか。君がそう呼ぶ第一号だ。ところで属性は?」
「属性ですか?と、とりあえず火は使えます」
「親子で火か良いではないか」
「あ、あと風と水も……」
「はい?聞き間違えたかな?まさか複数の属性とか言ってないよな?」
「嘘のような話ですが複数です」
「と、とりあえず三つだな。それ以上は無いな。ないよな?」
「それ以外は試していないので分かりません」
「……分かった」
子爵は驚いていた。男がだけでも非常識なのに属性が複数?
「もしかして君は神の御使いとかではないよな?それでももう驚かないぞ……」
「そんな話は聞いてないので違うと思います」
「神様に会ったのか?!」
あっ、誤魔化さないと……
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