第19話 学校
色々有ったが学校に行くことを決め試験を受け合格し入学した。
当然アビも同じ学校に通う。彼女は魔女の適正有なので試験なしで合格だ。
学校は、各学年6クラス有り、1クラス辺り30人ほどで成績順でクラスが決まる。数字が少ない方が成績は高い。で、その1組に僕とアビは選ばれた。基本貴族が多いが、僕みたいに平民も少しは居る。
意外と平民でも商人の家なんかは下級貴族より金銭面で有利な所も多く、身分が高いと上位クラスかと言われるとそんな事はない。教育にお金をかけている家が有利である。
一番変わった存在は僕だろう。人生2周目みたいなものだから今位の難易度なら難しくは感じない。一応試験前には勉強したが、こんな簡単な問題でいいのかとそちらを悩んだ位だった。
「アビ、同じクラスでよかった。あまり知らない人と話すの得意じゃないから君が居てくれて助かったよ」
「私もよ。これからは同じ教室で勉強できるのね。成人するまでよろしくね」
「何だ君たち仲いいな?お付き合いでもしてるの?」
いきなり近くに居た人に話しかけられた。
「こんにちは初めまして。僕はレオニダスと言います。彼女は僕の、こ、婚約者です」
「婚約?!失礼しました。貴族の方ですか?」
「僕は平民の子ですよ。失礼ですが貴方は?」
「僕も平民だよ、良かった。いきなり貴族相手に失礼なことしたかと思った。あっ、ごめん名前言ってなかった。僕の名はアナベル。良かったら仲良くしたいな」
「こちらこそよろしくね。アナベル」
「わたしはアビシニアン。レオの婚約者ですよろしく」
「2人ともよろしくね。で、聞きたいんやけど、どうなったらこんなかわいい婚約者とか出来るの?」
「それはね。本当に偶然の出会いだったんだ。確か3歳位の時に。で、親同士が仲良くて将来子供同士で結婚出来たらいいねってところから始まって、遊んだりしているうちに婚約を本気で進めたいと思って……なんか恥ずかしいな」
「そこまで教えてくれるとは思わなかった。ありがとう。俺も良い出会ないかな?」
「そんなに急がなくてもいいのでは?」
「婚約者居る人に言われたくない」
3人で笑った。
「ごめんなさい。盗み聞きしていたのではないのですが婚約されているのですね?おめでとうございます。私は親が男爵をしております”ミモザ”と申します」
「貴族の方だったのですね。私はソマリ子爵の姪のアビシニアンです」
「で、僕がその婚約者である平民のレオニダス。と先ほど友達となったアナベル」
「平民のアナベルです。身分差は有りますがよかったら仲良くしてほしい。というかアビシニアン様って子爵様の姪だったの?殆ど貴族では……」
「出来たらここでは身分ではなく、私という個人とお友達になってほしいのだけど」
皆その言葉に納得した。