第14話 成長
気が付けば5歳の誕生日。両親からのプレゼントの1つ目は名前だった。
”レオニダス”って名前だ。略してレオだねって言われた。
父からは杖と母からは頑丈な服。これで最低限は戦えるらしい。杖は非常に短く服の中に隠せる。
小さいが魔石と言う石?宝石?が付いていて魔法の発動を助けてくれるらしい。
「ありがとう、お父様お母さま。これで魔法の練習が進みます」
と言うと微妙な顔をされた
「もう十分に進んでるだろ?外で使うのは禁止だからな。但し命を守る為なら使え。死んだら後から対策を考える事も出来ない」
この世界では死が近い。子供もすぐ死ぬから名前を付けないらしい。一説によると名前のない子が死んだらすぐに転生できるらしい。名前を付けるとその体に魂?が縛り付けられ転生まで苦労するとか。まあ生きてる人が言うのだからどこまで本当かは分からないが。
兄は小さなナイフのような物をくれた。自分が5歳の誕生日に貰ったものらしい。
「そんな大切なものをいいのですか?」と聞くと
「弟以上に大切なものなんて……な」という返事が。
兄は刃物の扱いが苦手なのは知っている。多分使えないのだろうが思い出の品ではあると思うので
「ありがとうございます。大切に使いますね」
「え~っと、そのナイフで何か有っても切り開け……でしたっけお父様?」
「そうだ。よく覚えていたな。もうナイフは卒業か。次は剣だな」
「お兄さま凄いです!剣を習うのですか?かっこいいです」
「そ、そうだな、ナイフはもう卒業だな。次はレオがナイフを使う時だ。俺は、俺は剣を……振れるかな?」最後は小声になっていた。
父から
「もうすぐ婚約者も名前を貰う。そうなると婚約者として正式に発表となるだろう。大丈夫か?」
「そう言えばレオはもう婚約者が居るのだな?」
「お父様今の所何も問題は有りません。お兄様、偶然子爵の所に遊びに行ったとき年齢が近い子が居たので両家がこれからも仲良くなるための結婚の予定です」
「そうだな。だから先生が来て勉強を教わっている」
「結婚の為の勉強か……大変だな。頑張れ」
「……お兄さまも一緒に勉強します?」
「お、俺はじ、自分の勉強だけで忙しいんだ。残念だが無理だな」
「残念です」
顔をみてわかった。兄はナイフと勉強は苦手の様だ。
今日は先生はいない。ソマリ様の所に報告に行ってる。
「5歳の誕生日は特別だから、家族だけの方がいいよ」
と言われた。明日新しい名前を教えよう……名前教えたら婚約とかないよね?
先生未だに俺との結婚狙ってるから教えない方がいいかも……。
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