葬式通報人〜寿命の見える少女は大切な人の”遺体”を探す〜

「行く末が光で満ちていますようにーー」

死体の通告から葬儀の依頼まで、人が死んでから葬送するまでの全ての仕事を担う「テ・レデオ社」で働く、葬式通報人のルナ・シュヴァリエ。
左目が義眼で、不思議な色の瞳を持つ彼女は、その目で人の寿命を見ることができる不思議な力を持っていた。葬式通報人として、働く傍らで、彼女は自分の能力を使い、依頼人が”悔いのない死別”ができるように、手を差し伸べていく。
彼女自身は、大切な人に別れを告げることができなかったからこそーー。

そんな彼女は、ある目的のためだけに生きていた。
それは、５年前、戦場で離れ離れになった”ソラリス・ウィリアム”。彼の「遺体」を探し、自分の手で弔うこと。なぜ、彼女は彼の遺体を探しているのかーー。
そこには、彼女のある過去が関係していた。

大きな犠牲を出しながらも勝利を収めた「第二次大戦」が終結した世界。
大戦によって負った傷を乗り越えながらも、生きるために「死」と向き合う人々の物語。