47話 3階層
「――戦闘より気疲れの方が大変かもしれない……」
「モテモテでいいじゃない。違う意味でだけど」
「探索者間で有名になるのはいいことですよ。確かダンジョンの進行状況だけじゃなくて、人望とかもお給料に影響するって聞いたような聞かなかったような……。そ、それにお店の名前を売るって意味でもよかったと思います」
「フォローありがとうございます、朝比奈さん」
「それよりここからよ。あれだけのゴブリンたちが2階層にいたってことを考えると、多分3階層はモンスターで溢れている。それか、そこを牛耳るモンスターに追い出された。どっちにしろさっきまでの状況よりも深刻って考えるのが普通ね」
「元々のモンスターもそれなりの強さでしょうから、もっと気合を入れないとですね」
怪我人を丁度出勤したばかりだった高橋さんに任せ、俺たちは引き続き3階層への階段に足を掛ける。
高橋さんは俺たちが強くなったのを一目で確認できたのか、2階層の階層主の素材でできた剣を持つ朝比奈さんだけでなく、俺たちにも証を渡してくれた。
しかも俺たちがゴブリンの素材を見せると、5階層まで侵入可能な証まで手渡してくれた。
太っ腹だけど、そんなに軽々しく渡していいものなのか、とも思ったけど、その柔軟性はとにかく助かる。
そんな高橋さんは荒井さんが原因解決に動いているということを知ったこともあり、意外にも慌てる様子はなく、淡々と怪我人の治療。
さらには1階層にいる探索者たちに冷静に呼び掛ける様は流石で、『そのうち私も向かいますから安心してください』という言葉はそこにいた全員から安堵の息を漏らさせた。
カリスマって言うのはああいうことを言うのかな?
とはいえ、荒井さんでも高橋さんでも原因の解決のために『へび子』を殺す可能性は高いし、そもそもあの男と対面してしまったこともあって、俺は荒井さんの身も心配なわけで……。
ここで引き返すなんて選択肢は頭の隅にもない。
「――そろそろ3階層よ!」
「ああ。おっとそうだ、ステータスポイントだけ振っておかないと。えっと『ステータス』を表示して、防御に全振り……」
――――――――――
名前:栗原陽一
レベル:88
職業:料理人
攻撃力:4426→武器装備:4526(敵防御力0の場合の与ダメ5526)
魔法攻撃力:800
防御力:4955(5390)→武器装備:6390→バフ有:6490
魔法防御力:4955
魔力量:0
ユニークスキル:料理強化、スライム料理強化、【料理強化フェーズ1】
ノーマルスキル:衝撃掌、レベル鑑定眼、真空波、威圧、飾り切り、指刃
パッシブスキル:香しい誘惑、食い気、計測、視力強化
基礎パッシブ:敏捷強化LV2、溜めるLV1
魔法:不可
ステータスポイント:0
【バフ効果】
経験値取得量増加(永続)2倍
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)3倍
全属性耐性付与(永続)
火事場の馬鹿力(永続)
煉獄の炎(永続)
防御力強化中
ダメージ軽減小
与ダメ+100
【ステータスポイント割り振り状況】
防御:+87
【武器登録】
アイアンダイル包丁(牛刀型)LV1【C+】
【テイムモンスター,人間】
ミーク(獣人族:雌牛型)
朝比奈ひなた
【アイテムポケット】
なし
【次回レベルアップまでに必要な経験値】
10416
【累計経験値】
375928
――――――――――
――――――――――
名前:ミーク(獣人族:雌牛型)
レベル:84
職業:闘牛
攻撃力:5232(5647)→武器装備:6647(敵防御力0の場合7147)
魔法攻撃力:800
防御力:1630→武器装備:1680
魔法防御力:1000
魔力量:0
ユニークスキル:急速鎮痛、低効果回復液生成
ノーマルスキル:レベル鑑定眼、貫通角、威圧、怒号、【貫通角槍】
パッシブスキル:赤の衝動、計測、視力強化
基礎パッシブ:溜めるLV1、敏捷強化LV1
魔法:不可
ステータスポイント:0
【バフ効果】
経験値取得量増加(永続)2倍
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)3倍【テイム効果】
全属性耐性付与(永続)
火事場の馬鹿力(永続)
煉獄の炎(永続)
防御力強化中
ダメージ軽減小
与ダメ+100
【ステータスポイント割り振り状況】
攻撃力:+83
【武器登録】
渦巻く殺意(両槍)【C+】
【テイムモンスター】
不可
【アイテムポケット】
なし
【次回レベルアップまでに必要な経験値】
5200
【累計経験値】
340380
――――――――――
――――――――――
名前:朝比奈ひなた
レベル:77
職業:武器職人
攻撃力:4120(4600)→武器装備後:5125(相手防御力0の場合:5625)
魔法攻撃力:3365→武器装備後:3665
防御力:2773
魔法防御力:2660
魔力量:0
ユニークスキル:武器生成【ランクC+】
ノーマルスキル:2段攻撃、【6段攻撃】
パッシブスキル:視力強化
基礎パッシブ:溜めるLV1、敏捷強化LV2
魔法:【火属性】ファイアボール(初級)
ステータスポイント:0
【バフ効果】
経験値取得量増加(永続)2倍
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)2倍【テイム効果】
経験値取得量増加(永続)3倍【テイム効果】
全属性耐性付与(永続)
火事場の馬鹿力(永続)
煉獄の炎(永続)
防御力強化中
ダメージ軽減小
与ダメ+100
【ステータスポイント割り振り状況】
攻撃:+76
【武器登録】
なし
【テイムモンスター】
不可
【アイテムポケット】
なし
【次回レベルアップまでに必要な経験値】
8058
【累計経験値】
272230
――――――――――
「よし、準備完了っと……。それにしても職業の進化ってまだなのかな? やっぱりテイムが影響して――」
「ぐごおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「普通のゴブリンはもういないわね。全部ホブか……それ以上。これも得られる経験値の量が増えたからかしら」
「それに、強力な個体はホブじゃないみたいですよ」
3階層に足を踏み入れると、ホブゴブリンたちの尻をひっぱたく、今までに見たことのないモンスター『クイーンゴブリン』しかもLV78がその場を仕切っていたのだった。
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