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プロローグ

 あれ? おかしいな。


 私、外に落ちたゲームを確認するためにベランダから身を乗り出したはずなのに。

 


「……嬢……エステル嬢」


 ええっ!? 今やっていた乙女ゲームのキャラが勝手に喋ってる!? 


「エステル嬢?」


 キャラがさっきから呼んでいるエステル嬢って誰の事?

 首を傾げた途端、ドッと私の知らない情報が頭に流れ込んできた。


「……っ!」


『エステル、『能無し』のお前に縁談が来たぞ!』

『ああ、良かったわ! これでようやく我が家からお荷物がなくなるわ。エステル、くれぐれもランブルグ卿の機嫌を損ねることのないよう気を付けなさい、分かったわね!?』


 両手を上げて喜ぶ夫妻、そして隣には意地の悪い笑みを浮かべた令嬢。


『ランブルグ辺境伯って言ったら悪魔の瞳を持つ『紅の閣下』でしょ? 恐ろしい方って有名じゃない。まぁ、『能無し』なお姉様を娶ってくれるならどんな男でも喜ばないとね? ああ、私には優しい婚約者がいて良かったわ』


 何これ!? 怖い!!

 それに、あ、頭が……痛い!! 


 このまま座っているのが辛いから、一旦席を立ってどこか横になれる場所を探したい。


 頭を抑えながら立ちあがろうとしたが、身体が言うことを聞かずグラリと視界が歪んだ。



 あっ、これはダメだ……倒れる……



「エステル嬢!?」


 次に来るだろう衝撃に備えてギュッと目を瞑ると、ガタッ! という何かが倒れるような音と同時にがっしりした温かい何かに包み込まれる。



 そこから私の記憶は途絶えたーー。


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